千葉商科大学は、同校の教員を対象にした「春学期の遠隔授業の振り返りと遠隔授業の可能性に関するFD」を、Zoomを利用して8月26日に開催した。
同FD(ファカルティ・ディベロップメント)は、春学期に実施した遠隔授業を、学生と教員の双方の視点から振り返り、ICTツールを活用して学生の能動的な学修を促す教育の方法や秋学期の遠隔授業における教育の質の向上を図ることを目的としたもの。学生を対象にしたアンケートの結果報告と、2名の教員による授業の実践事例、課題、評価方法、学生の声などが紹介されている。
同校の学部1~4年生6327名を対象に、7月13日~16日の期間に行われた「春学期遠隔授業に関するアンケート」(4607名が回答)と、7月20日~8月16日の期間に行われた「授業評価アンケート」(複数回答・回答数3万3848)によれば、遠隔授業について「満足できる」「どちらかと言えば満足できる」と回答した人は88.34%だった。昨年度春学期の満足度(90.61%)との比較でも、従来の対面授業と同様に高い満足度を得られた。
遠隔授業の形式では、教科書または資料などに加えて、オンデマンドの説明動画を提供し、その上で課題提出を求める形式(C方式)が、もっとも満足度が高い。遠隔授業の良かった点としては、学生から「じっくり自分のペースで受講ができた」「資料を事前にダウンロードすることで、授業日当日は通信環境に左右されず受講できた」などの声があった。
一方、遠隔授業の「悪かった」点としては、授業形式にかかわらず「課題の分量が多い、期日が短すぎる」「課題に対するフィードバックがなく、解答が合っているかわからない」などの意見があった。満足度の高かったC方式についても、「進みが早く、巻き戻しつつノートを取りながら視聴すると、105分間では終わらない」「教科書や文字資料、どの箇所について説明しているのかわかりづらい」という声が寄せられた。
同校ではこれらの学生の声を受けて、秋学期の遠隔授業を改善していく。
そのほか同FDでは、春学期に行われた遠隔授業の事例として、政策情報学部の権永詞准教授によるオンライン反転授業と、サービス創造学部の中村聡宏専任講師によるZoomやMicrosoft Teams、LINEなど、さまざまなツールを併用したオンライン講義が紹介された。
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