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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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キーパーソンインタビュー

学校事務職員は「縁の下の力持ち」だけではいけない――教育現場の最前線を知ることで、子どもたちの学びにも貢献できる

 学校事務職員は自治体の職員であり、学校運営特有の業務を取りまとめるエキスパートだ。近年、教員と同様に業務量が問題視されており、業務効率化が大きな課題となっている。現場で学校のICT化に取り組む方の声を聞いた。

 特殊事情も多くICT化が遅れているという教育現場での実際の取り組みと今後の課題について、学校のICT化に取り組む「群馬県OA研究会」会員でもある伊勢崎市立第一中学校 総括事務長 北詰泰久さんにお話を伺った。

伊勢崎市立第一中学校 総括事務長 北詰泰久さん
伊勢崎市立第一中学校 総括事務長 北詰泰久さん

組織連携と煩雑な作業の効率化が大きな課題に

――学校の事務職員のお仕事についてご存じない方も多いと思います。実際にどのようなことをされているのか、お聞かせいただけますか。

 学校関係に関する事務一切を執り行うのが、学校事務の仕事です。学校の設備や運営については市町村の管轄で、教職・事務職含め主な職員の人事管理は県の管轄となっているため、私たちの仕事も県と市町村、双方との折衝・調整をする必要があります。

 たとえば県関係であれば教職員の給与の支給や人事・服務管理、福利厚生、そして市(町村)の管轄では財務の予算管理や給食費の集金、就学援助費の支給、備品の購入・管理などですね。また、校内の仕事として生徒の教材費の集金などもありますし、教職員に対する情報伝達に加えて保護者や地域の方々への情報発信も担当するようになりました。事務職ではありますが、校内整備を行うために電気工事士の資格を取ったほどで(笑)、業務は多岐にわたっており、細かいものも多いですね。

事務室の吊戸棚も北詰さんが手作りしたという
事務室の吊戸棚も北詰さんが手作りしたという

 業務効率化については15年ほど前から共同実施が進んでおり、複数の学校を複数名で担当し職務分担を図っています。複数の目で学校を見ることで、より良い解決策や改善案が考えられるといったプラスの効果も大きくあらわれています。たとえば、独自の取り組みとして3校分の情報を掲載した「M1X(ミックス)通信」という保護者向けの事務室だよりを3校や地域の公民館に配布しているのですが、他校の情報が参考になると大変好評です。

地域の学校に通う子どもの保護者に向けた「M1X(ミックス)通信」。小中学校が連携し作成している
地域の学校に通う子どもの保護者に向けた「M1X(ミックス)通信」。小中学校が連携し作成している

効率化のためのシステム化やツール導入は現場主導で推進

――WebサービスやICTツールなどの活用はどの程度進んでいるのですか。

 まだまだ紙ベースでの情報共有・発信が現場では主流です。しかし、少しずつではありますが、デジタル化も進みつつあります。たとえば、物品の発注はFAXからWebに切り替わりました。学校向けECサイト「スマートスクール」を利用しているのですが、すごく便利ですね。以前は必要な物品は紙のメモでやり取りし、それを事務職員が集約してFAXで発注していたので、メーカーや品番などを確認したり調べたりするのが手間でした。今は、必要な人に物品情報を直接入力してもらい、1日の最後に取りまとめて発注するのでミスが減り、手間も大きく削減できています。

 学校事務のICT化については、群馬県の事務職員の有志が集まった「群馬県OA研究会」の活動が32年間も続いています。今でこそ学校のICT化が重要視されていますが、実はそのずっと前、2002年ごろには独自で校務支援ソフトを開発していたんですよ。

 それ以前は、たとえば教育委員会から教員の出張情報が紙で届いたとします。すると事務職員が受付簿に記入し、それを見て教頭先生は自分の手帳に記入し、月予定や週予定を作成、当日の予定を板書した後、日直の先生が学校日誌を記入し、それをもとに事務職員が旅費の計算をする……とにかく同一データを何人もがそれぞれ記録するというやり方は、煩雑でミスが発生する恐れもありました。そこで情報の一元管理を目指し、Microsoft Accessでシステムを作ったのです。当時は市販の「校務支援ソフト」が世になかったこともあり、群馬県内にある約500校のうち7割から要望があり配布しました。また、これらの経験や導入ノウハウを実践集として発刊したところ、群馬県の実践が広く全国に知れわたり、多方面から問い合わせや反響がありました。

 世の中では「働き方改革」が叫ばれていますが、学校現場ではそれ以前に「教職員の多忙解消」という喫緊の問題があります。私たちが現場の課題を解決するべく作った「学校日誌システム」は群馬県教育委員会内で話題になり、そのノウハウは現在使っている校務支援システム「EDUCOMマネージャーC4th」にも反映されています。現在、全国各地で導入されている「校務支援ソフト」においても開発の指針となったことでしょう。

次のページ
市の事務職員同士の連携でシステム開発や広報を実施

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


森山 咲(編集部)(モリヤマ サキ)

EdTechZine編集長。好きな言葉は「愚公移山」。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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