「ネイティブキャンプ」は、前身のシステム開発企業で2015年6月にサービスが開始され、2017年3月には株式会社ネイティブキャンプが設立された。利用者は毎年20〜30%増え続け、2019年9月には会員数30万人を突破。同社によると、これは業界でも最速級の増加ペースであるとしている。講師の採用にも力を入れていて、100カ国以上の講師が在籍している。
システム開発企業を前身としているため、サービスならびに社内システムも自社内で開発を行っているという同社。今回は、サービスの特徴や開発体制、AI活用による他社との差別化などついて、代表取締役の谷川国洋氏をはじめ、広報、開発、教材などの担当者に話を聞いた。
日本人の英語能力不足を痛感、独自開発により利便性のあるサービスへ
オンラインでの英会話レッスンは、講師と生徒がパソコン(スマホ)にカメラとマイクを接続してビデオ通話をしながら行われる。このため、Skypeなどのビデオ通話ソフトが使われることも多かった。しかし「ネイティブキャンプ」はサービス開始当初からWebブラウザのみを使う独自のシステムで展開されている。
同社では、Skypeを利用するサービスについて、コンタクトリストの交換やレッスンの日程調整、講師・ユーザーのレッスン内容の把握など、利便性に対する課題を感じていた。そこでこれらの課題に対応すべく、学習者がサービスに接続した時点で、空いている講師とのレッスンが即時行うことができる、予約なしでの利用を実現した。
そもそもオンライン英会話のビジネスに参入するきっかけは何だったのだろうか。広報の小林氏は「前身の企業がベトナムでのオフショア開発を進めるときに、日本人の英語能力不足で現地の開発者に技術をうまく伝えられないという課題がありました。この経験から日本人が今後、世界でより活躍するためには、伝えたいことが伝えられるレベルの外国語語学能力は必須であると分析し、日本人の英語力を伸ばすことが国力向上にも寄与するとの想いからサービスを開始しました」とその成り立ちを説明。
「ネイティブキャンプ」が提供しているレッスンプランは、「プレミアムプラン」と「ファミリープラン」の2種類。プレミアムプランは月額6480円、ファミリープランは、プレミアムプランの家族向けで月額1980円。定額制で予約も必要なく、24時間365日、回数無制限で受講できる。また、お気に入りの講師のレッスンを受けたい場合は、一回あたりオプション料金(100円~)を支払えば予約が可能となる。
なお、外国人講師ばかりでなく、日本人講師によるレッスンも受講可能だ。谷川氏は「初心者の方を中心に日本語での学習サポートのニーズがあります。会員様にとって日本人講師は、英語学習経験を共有していただける存在でもあるため日本人講師も積極的に採用しています」とした。