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小学校教育現場・家庭でも役立つ、無料プログラミング学習プラットフォーム「LINE entry」の一般公開が開始

 LINEは、プログラミング学習プラットフォーム「LINE entry」の一般公開を、10月31日に開始した。

 LINEは、2020年度からの小学校プログラミング教育必修化を受け、ICTを自ら新しく創り出すための能力を培い、未来のデジタル社会をより良いものにするための担い手の育成を目指し、今夏、プログラミング教育に参入することを発表した。専任講師が学校のプログラミングの授業をサポートする出前授業の事前申し込み受付を教育関係者を対象に開始しており、すでにいくつかの小学校で出前授業を実施。訪問した学校の先生からは「進行用のスライドやガイドブックがあるので自分でも授業できそう」、子どもたちからは「楽しかった」「また受けたい」などの反響があった。

 今回の一般公開により、今後は出前授業だけでなく、誰でも「LINE entry」のビジュアル型プログラミング言語で簡単にコーディングを体験し、LINEのオリジナル教材をダウンロードできる。これにより、学校の先生自身が「LINE entry」を活用したプログラミング授業を行うことができ、また家庭でもプログラミング学習に役立てることが可能となる。

 「LINE entry」は、テキストベースではなく、ブロックを組み合わせて実行させる、ビジュアル型のプログラミング学習プラットフォーム。機能としては、「学習する」「作る」「マイページ」「共有する」があり、遊び感覚で楽しみながらプログラミング学習できる。これらの機能はすべて無料で利用可能で、作品を他の人に公開・共有できる「共有する」機能は今後実装される予定。機能の詳細は以下の通り。

「学習する」機能

 「学ぶ」というページでは、主に学校の先生を対象としたLINEオリジナルの公式教材が無料でダウンロードできる。教材は「プログラミング教育の授業をしたいけど、何をしていいかわからない」という先生の声に応える形で、LINEが放送大学や千葉大学と共同で、文部科学省の学習指導要領に基づき開発した。授業で扱うスライドや、生徒に配るプリント、進行用のガイドブックがセットになっており、推奨学年別にレベル分けされたテーマが用意されている。これらを活用することで、初めてプログラミング教育の授業をする先生でも、順を追って段階的に授業を進行することができる。公式教材の種類は今後さらに拡充される予定。

「LINE entry」公式教材のイメージ
「LINE entry」公式教材のイメージ

「作る」機能

 「ワークスペース」というページでは、子どもたちが直感的に操作できるビジュアル型のプログラミング言語を使って、いくつかのブロックを組み合わせてコーディングし、実行することができる。コーディング次第で、親しみのあるLINEのキャラクターを自由自在に動かしたり、ゲームを作ったり、自分だけの作品を制作できる。

 「ワークスペース」は自由度が高く、子どもたちが好きなように、自分で考え、試行錯誤しながらプログラムを作ることができるため、その過程を通して論理的思考・プログラミング的思考を学ぶことができる。

自ら考えてコーディングし、親しみのあるLINEのキャラクターが命令通りに動く
自ら考えてコーディングし、親しみのあるLINEのキャラクターが命令通りに動く

「マイページ」機能

 メールアドレスとパスワードを設定して会員登録をすることで、「ワークスペース」で作った自分の作品を「マイページ」に保存できるようになる。

 なお、LINEは小学生を対象とした「LINE entry」公開体験授業を、8月19日に実施した。最初は慣れないプログラミングやPC操作に苦戦していた子どもたちも、「LINE entry」のビジュアル型プログラミングを通して、コーディングができるようになると「やった」「できた」とうれしそうにガッツポーズを見せるなど、楽しい雰囲気で体験を終えている。

「LINE entry」公開体験授業の様子
「LINE entry」公開体験授業の様子

 実際に「LINE entry」を体験した子どもたちの中で、プログラミングをするのは初めて、と言う小学6年生の男の子は「中学校でもプログラミングをするということで、今回の体験会は楽しみにしていました。実際にやってみて特につまづいたところはなかったです」とコメントした。また、スマートフォンのアプリでプログラミングを体験したことがある小学4年生の女の子は「紙の上では作りたいプログラムの内容を書くことはできるのに、実際にパソコンでコーディングするとなかなか思った通りにならず難しかったです」とコメントし、うまくいかず試行錯誤をした様子も伺えた。

 また、「LINE entry」を使って公開授業を行った、千葉大学教育学部附属小学校の小池翔太先生は「LINE entry」について、「小学校でのプログラミング教育は教科領域の狙いも達成しながら、先生にとっても、子どもにとっても難しいことをするため、その難しさを超える楽しさ、面白さを保障するのは大事です。その上で、キャラクターは重要でしょう。どうしても高学年になると、難しいと感じたときに『自分はこれが苦手』と思ってしまう児童もいます。その限界を突破するために、LINEのキャラクターのような親しみやすさは、そうした子どもたちのやる気に火をつけるでしょう」とコメントした。

 加えて、「先生は答えを教えがちなので、極力言わないようにすることが重要です。小学校高学年の児童が、下の学年の児童に『あなたのできた楽しみを他の子たちにも教えてあげて』という風に教えてあげることも大事でしょう」と、教師が子どもにプログラミングを教える際の注意点についても述べた。

 今後、「LINE entry」の使い方や新機能の紹介、学校での出前授業の様子などは、「LINE entry」公式ブログやLINE公式アカウントにて随時情報発信される(LINE公式アカウントは12月ごろに開設予定)。出前授業に関しては、引き続き申し込みを受け付けている。生徒向けの授業だけでなく、先生向けの研修も行う予定で、準備ができ次第、受付を開始する。

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https://edtechzine.jp/article/detail/2875 2019/11/06 20:56

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