ソニーの最新技術を活用した研究開発段階のプロジェクトを体感
ソニーがSXSWに出展するのは3回目となる。今回のテーマは「テクノロジー×クリエイティビティ」。“Will technology enrich human creativity?”、日本語では「テクノロジーは人の創造性を豊かにするか?」という問いかけのもと、ソニーが発信したいメッセージを伝えていく。
まだ研究開発段階の最新技術を体感できる貴重な機会と言える。今年は4つのコンテンツが用意された。
CAVE without a LIGHT(ケイブ・ウィズアウト・ア・ライト)
テクノロジーが引き起こす、人間の感覚拡張がテーマの展示。視覚に頼らずに楽しめるインクルーシブデザイン(多様なユーザーを包含・理解することで新たな気付きを得て、一緒にデザインする手法)の体験型展示。暗闇の洞窟を再現し、ソニーの音響・触覚技術を用いて音楽を共創する体験ができる。聴覚と触覚のみが頼りになる空間で、障害の有無にかかわらず、多様な人が自分らしく楽しめるテクノロジーの可能性を提示する。
Superception(スーパーセプション)
こちらは視覚を用いた感覚拡張がテーマで、自らの影に起きる視覚変化により、自分自身の身体を体感することができるというもの。人間は、影は明かりがあれば絶対に自分の姿と同じ形が投影されると認識しているが、それが変わった際に感覚はどのように揺さぶられ、脳への刺激には影響があるのか。コンピューター技術を用いてそれを実現し、エンターテイメントとして楽しむことができる。
Flow Machines(フローマシーンズ)
「Flow Machines」はアーティストのクリエイティビティを拡張することを目指す、研究開発および社会実装プロジェクト。作曲の過程における単純作業やルーチンワークを、AIアシスト作曲技術に対応してもらうというものだ。
今回、ソニーは体験型展示以外にもトークセッションを実施したが、その中では実際の音楽プロデューサーとAIのコラボレーションも披露された。
Das Fremde(ダス・フレムデ)
「言語がどのように生まれ、発達・変化していくか」という研究をロボットとAIを使って表現。2台のロボットが言語を持たない状態から、人間が近づくなどの環境変化から影響を受けることにより、発達・変化させて彼ら独自の言語を形成していく様子を記録していく。人間と人工知能・機械との関係性を問いかける展示だ。
これら4つの体験型展示のさらに詳しいコンセプトや、ソニーのクリエイティビティに対する取り組みについて、ソニー株式会社 ブランド戦略部 統括部長 森 繁樹氏にお話を伺った。SXSW開催前に実施したインタビューの模様を次項でお送りする。