コレオスは、佐賀大学が2024年度に新設した入学前教育プログラムの学習管理システム(LMS)として、同社が提供している「Moodle(ムードル)」ベースのクラウド型LMS「Open LMS」を導入・運用したことを、11月11日に発表した。導入の際は、短期間でシステム構築からプログラム提供を行い、大幅な運用効率化を実現した。
佐賀大学では多様な人材を確保すべく、多角的な視点に基づく入試制度を整備している。試験時間内に間違えた問題の解説を提示して類題に再チャレンジさせることにより、受験生の学力だけではなく「学習力」も評価するCBTや、高校での活動と大学が求める人材像との関連性を評価して加点する特色加点制度を採用している。
これまでの入学前教育は、サーバにオープンソースのLMS「Moodle」環境を構築して、オンプレミスで運用していたものの、各学部が個別に実施しているため教育面とITシステム面の双方に課題を抱えていた。
教育面での課題としては、学部教員が多忙なため受講者への丁寧な指導が難しく、課題未提出のままで入学に至る受講者がいた。これにより、入学後の学習意欲への悪影響が懸念されている。ITシステム面の課題としては、定期的なアップデート、セキュリティ対応といった運用管理に多くの時間と労力が割かれるとともに、他のLMSなどとオンプレミス環境のサーバを共有する運用のため、メンテナンスのタイミングを合わせにくかった。
今回の導入は、こういった課題を解決すべく行われた。同製品はクラウド型ならではの迅速な導入が可能で、短期間で「Moodle」ベースのLMSができあがり、中身作りに集中しやすい。また、「Moodle」ベースであるため既存のデータや設定の移行・活用が容易で、物理サーバと比較して初期費用を抑えられ、コレオスによるサポートサービスも含まれる年間のランニングコストと、同学のアドミッションセンターの予算感が見合っていた。さらに、導入後も簡単に拡張が可能となっている。これらの点が採用の決め手となった。
「Open LMS」を導入したことで、学部によってはこれまで30%ほどあった未完了率が5.8%と大幅に減少。受講者への事後アンケートでは、「満足」「学習意欲を維持・向上させられた」という回答が9割超を占めた。「入学前の不安を解消できた」「佐賀大生であることを実感し心構えができた」といった意見も寄せられている。
あわせて、クラウドへの移行によって煩雑なシステム運用管理業務から解放され、少人数で効率的な運用ができるようになった。初年度に作り込んだコースやコンテンツを複製・再利用することで、次年度以降に同じ作業を繰り返す手間を省けるメリットも明らかになっている。
さらに、受講者の進捗把握や適切なフォローも容易であり、「Open LMS」の「完了プログレス」機能によって学部教員も把握が可能。入学前教育プログラムへのより深い理解や協力を得やすくなったという。
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
