チエルは、同社が提供する教育機関向けシングルサインオン製品「ExtraConsole Secure Network」が、10月に学術認証フェデレーション「学認」に対応のためバージョンアップをすることを、9月30日に発表した。同製品は、学認参加に必要なIDプロバイダー(IdP)の構築・運用を簡素化することで、教育機関が抱える技術的な課題を解消し、スムーズな学認利用を支援する。
校務DXを含む、情報セキュリティの確保には、ゼロトラストセキュリティの観点から不正アクセスを防止することが重要と言われている。ExtraConsole Secure Networkは、ゼロトラストセキュリティに関する3つの要素技術のうちの1つである「アクセスの真正性」を実現するシングルサインオン(SSO)を提供する情報基盤システムである。
さまざまな認証方式で、各学校や自治体の運用状況にあわせてクラウドでもオンプレミスでも導入が可能となる。また、情報管理者は直感的な管理画面で各サービスの利用状況を把握でき、組織として円滑な運用サポートを実現する。
ユーザーはシングルサインオンを用いることによって、セキュリティが確保された複数のクラウドサービスを1回の認証でアクセスできるようになり、その利便性の向上と認証の煩雑化によるリスクの低減を同時に図れる。

近年、教育現場におけるオンラインサービスの利用は不可欠となっており、利便性とセキュリティの両立が強く求められています。学術認証フェデレーション「学認」は、国内外のオンライン学術サービスを利用するための重要な仕組みとして、その役割が一層高まっている。
一方で、学認に参加しサービス提供を受けるためには、参加機関がIdP(Identity Provider)を構築・運用する必要がある。学認のIdPとして広く普及している「Shibboleth IdP」だが、その構築や運用には高度な専門知識が求められる。さらに、一度IdPを構築した後も、証明書の定期的な更新や新しいサービスプロバイダー(SP)との連携設定など、煩雑な作業が発生し、システム管理者にとって大きな負担となっている。
今回のバージョンアップにより、ExtraConsole Secure Networkは「学認」に対応し、教育機関のシステム管理者が抱えていたIdP運用の課題を解決する。同製品を学認用のIdPとして利用することで、専門知識がなくてもGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)による直感的な操作で、学認に必要な設定を簡単に行うことができる。
これにより、コマンドライン操作が中心のShibboleth IdPのように高度な知識を習得する必要はなく、短期間での学認参加が可能となる。さらに、証明書の更新や新しいサービスプロバイダー(SP)との連携設定もすべてGUI上で完結する。これにより、管理者は煩雑な作業から解放されるだけでなく、設定ミスのリスクも抑えることができ、安心してシステムを運用できる。
ExtraConsole Secure Networkを導入済みの顧客は、新たなシステムを構築することなく、既存の環境で「学認」に参加し、利用を拡張できる。
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア