デジタル・ナレッジは、敬心学園の新たな学習基盤「KEISHIN.net」を開発したことを、9月8日に発表した。「KEISHIN.net」は、同社の提供する学習管理システム(LMS)「KnowledgeDeliver」がベースとなっている。
「KEISHIN.net」の開発以前、敬心学園では以下のような課題を抱えていた。
- 授業提供者の理論先行で「学習者主体の取り組み」が不十分
- 授業・試験が連動せず、かつ学生の個別課題をクリアしないまま次へと進んでいる
- 学生全員に対し、十分な分析と対応がなされていない
そこで「KEISHIN.net」では、学校の役割を「学習者主体の学びを支援する機能」へと再定義し、個別最適化された学びと教員による「人にしかできない支援」をテクノロジーで両立することで、本質的な教育DXの実現を目指した。
「KnowledgeDeliver」をベースとする「KEISHIN.net」の開発にあたっては、同社がLMS導入が目的ではなく「教える」から「学びを支える」構造改革に深く共感したこと、学習成果につながる具体的かつ現実的な設計を提案したこと、導入後も運用・改善を伴走してくれるパートナー体制があったことが、決め手となったという。
その後「KEISHIN.net」は、学生のモチベーション低下、教員の負担増、個別支援の限界といった教育の構造的課題を解決し、「誰ひとり取り残さない学び」を実現する先進的な教育DXモデルとして、敬心学園グループの柔道整復師・鍼灸師を育成する専門学校である日本医専に、4月から本格導入された。


「KEISHIN.net」では、授業前に予習問題を配信して苦手を事前検出し、授業後は学生ごとに最適化された復習問題を忘却曲線(1日後、7日後、30日後)に基づいて自動的に出題する。また、試験後も誤答分析による復習が個別出題されるなど、従来の「成績悪化で補講」から脱却した。「事前に・個別に・繰り返し支援」の仕組みによって、授業や試験の「受けっぱなし」を防ぎ、自己学習の促進を図る。
あわせて、従来は手作業だった予習復習設計、苦手分析、授業アーカイブ管理を自動化し、教員がよりきめ細やかな支援に集中できる体制を構築。見落とされがちだった学生への支援も可能にする。
さらに、動画教材によって実技手順の事前視聴と反復学習を可能にして、対面授業の実践密度を向上した。そのほか、国家試験過去問5000問以上をデータベース化し、出題分類・正答率・解説といったメタ情報を構造化した。IRTやAI活用によるリコメンド、CBT展開にも対応する基盤を構築できる。
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