学校だからこそ失敗していい──過度にトラブルを恐れないことが大切
──一方で、子ども同士のオンラインのコミュニケーションでは、最初はどうしてもトラブルが起きがちだと聞きます。
私は「トラブルを恐れずに使ってもらい、失敗から学ぶのがよい」と考えています。Google Classroomは安全に管理されているので、失敗しながら学ぶのに最適なツールです。子どもたちは、学校だからこそ失敗できます。「ちょっとしたコメントの言葉遣いで相手を嫌な気分にさせてしまった」などの失敗体験を通して、子どもたちは自分事として学ぶことができます。むしろ、トラブルや失敗があって当たり前で、そこからどうやって子どもに学んでもらうかこそが重要です。
ただ「自分の学級のClassroomが荒れてしまったらどうしよう」と、トラブルを恐れる先生がいらっしゃることも事実です。そうした先生にとっては、Google Classroomを子どもたちに委ねて自由に投稿してもらうことは難しいでしょう。子どもたちが本当の意味での情報モラルを学ぶためには、まずは先生が失敗やトラブルを恐れないマインドを持つことが重要なのではないでしょうか。
──現在の勤務校ではibisPaint倶楽部のような活動はいったんお休みされているとのことですが、今後再開する際には、どのような取り組みを考えていらっしゃいますか。
現在の勤務校では別の授業支援システムをメインに使っており、Google Classroomはあまりなじみがないようです。そのシステムも機能が豊富で非常に便利なのですが、掲示板のような機能はありません。そのため、Google Classroomならではのよさを、ほかの先生方に少しずつ広めているところです。
実は、すでに通級指導教室ではClassroomを立ち上げており、通常級の児童も含めて誰も投稿できるようにしています。ここでも、イラストやプログラミングといった作品を中心に投稿してもらっていますが、まだコメントが盛り上がるまでには至っていません。
現在の勤務校は児童数が少なく、学校全体が顔見知りという状況です。そのため、前任校とはオンラインで交流できることの価値に差があるのかもしれません。だからこそ、今の学校の規模や文化に合う活用の仕方を探っていきたいと考えています。