MM総研は、公立高校の学習者用1人1台端末に関する調査結果を6月25日に発表した。同調査は、47都道府県の教育委員会に対し6月5日~17日の期間に電話での聞き取りを行い、すべての都道府県から回答を得ている(部分回答を含む)。
調査結果によれば、現時点で公立高校生の端末整備費用として、公費を活用する都道府県は31(66%)となっている。うち、20の都道府県が公費のみで調達した端末を活用し、11都道府県は公費と保護者負担を併用している。一方で、今後の端末更新時に公費財源のめどがたつ都道府県は31のうち8つ(26%)にとどまっているほか、現在公費のみで整備している20自治体のうち、今後も公費のみで整備する都道府県は5つだった。

保護者負担によって端末を整備する都道府県に、運用方法について尋ねたところ、学習用端末として保護者が用意した私物端末を利用するBYOD(Bring Your Own Device)と、都道府県教育委員会や学校が指定・推奨した端末を利用するBYAD(Bring Your Assigned Device)が混在している。
BYODは、BYADと比較して端末の選定が利用者の自由となり、端末購入費やユーザーの利便性ではメリットがあるものの、組織的なIT運用の難易度が高いことがデメリットとなっている。その上、安定的にIT運用するための「ITガバナンス(統制)」がとりにくいことや、セキュリティ対策でも統制がとりにくいという課題もある。しかしながら、BYODを採用する都道府県が20だったのに対して、BYADを採用する都道府県は7にとどまった。

BYODなどのIT運用に課題がないかの分析では、端末の運用を集中管理するMDM(モバイル・デバイス・マネジメント)ツールの導入率に大きな差がみられた。公費のみ、公費+BYXD(BYODとBYADの総称)、BYXDの3分類とした際に、MDMの導入率はそれぞれ95%、73%、13%と顕著な差が生じている。

この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア