鳴門教育大学は、「主体的に学び創造的に実践する教師」の養成を目指した教員養成改革の一環として、EdTechを活用した学修環境を整備。令和7年度授業から活用を開始することを、4月22日に発表した。

同学では、今後の学習観・指導観の転換を担う教員の在り方として、教員が主体的に学ぶ力を有し、子どもの多様性や教育課題の複雑さに対応した教育実践を作り出すような「主体的に学び、創造的に実践する教師」の養成を目指している。
この目標を実現すべく、これまでの大学が要求する能力の評価規準(スタンダード)に学生の学修を合致させる教育(規準適応型教育)から、自己の成長課題に向けた主体的な学修「セルフデザイン型学修」への転換を図り、以下のような三位一体の教員養成改革に取り組む。
- カリキュラム改革:セルフデザイン型学修の修得・実践をカリキュラムの柱に位置付け
- 指導体制の整備:セルフデザイン型学修支援センターで学生の学びを全学体制で支援
- 学修環境の整備:EdTechを活用して主体的・協働的な学びが可能な環境の整備
今回、EdTechを活用した学修環境の整備が行われたのは、共通講義B棟の各講義室・演習室と各フロアのホールとなる。大講義室以外は机や椅子の移動を可能にし、個別作業・グループワーク・プレゼン形式といった、授業スタイルに合わせて自由にレイアウトを変更できるようにした。「集中」「対話」「共有」のゾーンが共存し、学修スタイルに応じて選べる。

あわせて、電子黒板・インタラクティブディスプレイを配置し、複数人での同時書き込みや外部端末との連携による議論の視覚化を実現した。学生は個人端末を持参(BYOD)し、大学が付与したアカウントを活用して、資料共有・意見集約・振り返りを即座に実施可能となっている。

各フロアのホールにもスツールやテーブルを配置するとともに、壁面にはプロジェクターによる投影設備も整備した。授業の合間や空き時間にも学生が自然に集い、議論や資料作成、プレゼンテーション練習などができるようになり、講義室・演習室以外にも主体的・協働的な学びを支える環境が広がる。

新たに整備された学修環境は、対面とオンラインを自由に組み合わせられるハイフレックス型授業にも対応し、学ぶ場所や時間に囚われない柔軟な学修を実現する。双方向のオンライン参加が可能な高性能マイク・カメラ・スピーカーを備えており、遠隔地の学生や教員とのリアルタイムなやり取り、録画によるオンデマンド配信にも対応している。
今後は、全国最大規模で現職教員のリカレント教育を行う教職大学院(遠隔教育プログラム)や、四国5国立大学による連携教職課程にも同ハイフレックス環境を活用することで、地理的・時間的制約を超えた学修機会を提供していく。へき地・過疎地域を含む多様な学習者へのアクセス性を向上させて、地域と連携した実践的な教員養成の拠点としての役割をさらに強化する。
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