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雲雀丘学園小学校、児童のメンタルケアや非認知能力育成のためジャーナリングアプリ「muute for school」を導入

 ミッドナイトブレックファストは、同社が提供するAIジャーナリングアプリ「muute for school」が、兵庫県宝塚市の雲雀丘学園小学校(小学4年生~6年生の児童約430名)に導入されたことを、2月27日に発表した。

 雲雀丘学園小学校では帰りの会に「書く瞑想」としてジャーナリングを実践し、児童が自分の感情を客観的に捉え、メンタルヘルスケアや非認知能力を育むことを目指している。

 これまで朝と帰りに行っていた瞑想の取り組みを発展させ、「muute for school」のAIが感情を分析・フィードバックすることで、児童がより深い自己理解を得ることを期待している。同取り組みはGIGAスクール構想による1人1台端末の活用を基盤とし、今後の教育現場のデジタル化・ウェルビーイング向上に大きく寄与すると考えている。

 文部科学省の最新調査によれば、病気や経済的理由を除く不登校児童生徒は34.6万人を超え、前年度比15.9%増と過去最多を更新している。これは児童生徒の心理的課題がいっそう深刻化していることを示唆している(文部科学省「不登校児童生徒の実態調査」(令和5年度)より)。

 不登校の背景には、「学校生活への意欲低下」に加え「不安・抑うつ」「生活リズムの乱れ」を訴える児童生徒がそれぞれ約23%に上ると報告されている。こうしたメンタルヘルス上の課題に、学校現場が十分に対処しきれない実情がある(文部科学省「不登校児童生徒の実態調査」(令和5年度)より)。

 文部科学省は「令和の日本型学校教育」を通じて、学力だけでなく児童生徒のウェルビーイング(心身の健康や幸福感)の重要性を強調している。公立小中学校への1人1台端末の整備が進み、デジタルを活用した新たな学習プログラム導入が可能になった。これを受け、各校で新しい教育手法や非認知能力の育成に資するツールへの注目が集まっている。

 また、学力と並行して育むべき力として自己肯定感、思いやり、レジリエンスなどの「非認知能力」が注目されている。しかし、具体的にどのように指導・評価すればよいのかが明確ではなく、現場での試行錯誤が続いている。

 こうした状況を踏まえ、児童が安心して自己の感情と向き合いメンタル面をケアしながら学ぶ環境をつくるため、同校は「muute for school」の導入を決定した。

 取り組み内容は以下の通り。

帰りの会での実施

 同校では朝の瞑想はそのまま継続し、帰りの会で「書く瞑想」として「muute for school」の活用を開始した。現在では、音楽に合わせて目を瞑る代わりにタブレットを用いて自分の気持ちを自由に書き込むことを習慣化している。

AIによる感情分析の仕組み

 「muute for school」に入力された文章は、アプリ内のAIがキーワードや感情傾向を分析する。ユーザー本人に対しては自分の感情や思考の特徴を示すフィードバックが表示され、教員は個々の児童の感情傾向を把握するためのデータを参照できる。

教員のモニタリング(感情分析)

 児童一人ひとりが自由に書き込んだ内容を、教員が個別に精査するのは手間がかかる。AIの感情分析結果を活用することで、従来の紙の日記に比べ教員による支援や見取りの効率化を実現する。児童が抱える不安や悩みの早期発見につながる。

 同取り組みでは、以下の効果が期待される。

児童の感情理解力向上

 ペネベーカー氏の筆記開示法研究によると、ジャーナリングにより児童はポジティブ・ネガティブを問わず自分の気持ちを客観的に把握しやすくなるとされている。継続的な「書く瞑想」は心理的ストレスの低減や自己肯定感の向上に効果的とされている。

不安・抑うつの早期発見

 「muute for school」は、不登校やメンタル不調の背景にある「見えにくい悩み」を、AI分析で可視化する。教員は個別フォローや早期介入を行いやすくなるため、重大化を防ぎやすくなる。

教員と児童の対話促進

 AIによる感情分析レポートを活用することで、教員は児童との対話の糸口を見つけやすくなる。従来の直感的な観察だけでなく、データにもとづいたアプローチが可能となり、より建設的な声かけや相談機会の創出につながる。

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https://edtechzine.jp/article/detail/12167 2025/02/28 17:20

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