東邦ガスは、尾張旭市教育委員会と「部活動改革に係る実証実験に関する協定」を1月24日に締結した。両者は同協定によって同市における部活動改革の取り組みを推進し、持続可能な部活動運営モデルの構築を目指す。
同協定の背景には、全国の公立中学校で「部活動の地域移行(地域展開)」が進められていることがある。スポーツ庁や文化庁は2023年度〜2025年度の3年間を「改革推進期間」と位置づけ、休日の部活動について地域の実情に応じた早期の地域移行を目指すガイドラインを示しており、同協定はこれを受けて締結された。
東邦ガスグループは、「持続可能な社会の実現をリードする企業グループ」を目指して、「社会課題解決の推進」を重要テーマに掲げる。その一環として2024年5月に自治体向けソリューションサービス「東邦ガス つなぐtech(ツナグテ)」を立ち上げ、地域課題解決に向けた取り組みを進めてきた。
尾張旭市教育委員会では、2026年3月までの学校教職員による部活動指導の廃止を目標に掲げているものの、部活動を担う地域における指導員の確保や運営体制の整備といった課題が山積していた。課題解決には、地域全体での連携が不可欠な状況であることを踏まえ、東邦ガスとの協議の末に2025年2〜3月に指導員の少ない部活動を対象として、実証実験を開始する。
実証実験では、民間企業の社員や地域住民が部活動の指導員として活動することによって、教職員の業務負担軽減や運営体制の改善にどのような効果があるかを検証する。あわせて、部活動運営にともなう事務作業や管理業務の実態を深く理解して、業務効率化の検討を行う。実証対象は、愛知県尾張旭市立西中学校のソフトボール部、バレーボール部、剣道部となる。
実証実験終了後は、同実証で得られた知見やノウハウを活用して、指導員の確保や自治体の業務負担の軽減を支援する汎用的な仕組みを構築することで、競争力のあるビジネスモデルの確立を図る。
あわせて、国の動きや部活動改革を取り巻く環境の変化を注視しつつ、東海地域を中心に連携自治体をさらに拡大して、最終的には全国展開を目指していく。
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