eboardは、外国につながりがあり日本語支援を必要とする子どもたちをおもな対象とした、新たな教材「やさしい算数・やさしい数学」を作成し、12月16日に公開した。同教材は、ベネッセこども基金の「2022年度 経済的困難を抱える子どもの学び支援活動助成」の支援を受けて作成され、可能な限り言語情報を減らしつつ、教科概念の習得を目指す教材となっている。
今回、公開された「やさしい算数・やさしい数学」は、一般的な教材から大きく言語情報を減らすことで、日本語による理解が不十分な場合でも教科概念を習得できるようにすべく開発された教材となる。対象教科・範囲は小学5年生〜中学3年生の算数・数学で、eboardの公式サイトから無料でダウンロードできる。
文部科学省が実施した「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(令和5年度)」によれば、2023年の日本語指導が必要な児童生徒は6万9123名に達しており、過去10年間で最大の増加となった。
日本語指導が必要な児童生徒に対しては、学校に入る前の教育委員会等による専門的な日本語の初期指導や、入学後の通常学級とは別で行われる指導(取り出し指導)などが自治体ごとに行われている一方で、eboardがベネッセこども基金の支援を受けて実施したアンケート調査では、1名あたりの日本語指導にかかる総時間数は、平均で「週4時間の指導が2年間」ほどにとどまっている。
まったく日本語がわからない状態から始めた場合、「週4時間の指導が2年間」ほどの指導で日常会話への参加は可能になるものの、教科学習に必要なレベルには大きく不足すると考えられることから、今回の「やさしい算数・やさしい数学」の作成・公開に至ったという。
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