社会人としての将来像を描いてほしい
──今回、駒澤大学のキャリアセンターが主催した「社会人になる前に知っておきたい実学セミナー」は「住まい探し」や「給与の仕組み」などをテーマにしており、キャリアセンター主催のセミナーとしてはとてもユニークだと感じました。開催のねらいを教えてください。
私は以前、人事部に所属しており、大学の労務に関する業務を担当していました。その中で、多くの人が社会保険の制度や給与の仕組みについて学生のうちに学ぶ機会がないまま、社会人になることに疑問を感じていたんです。
その後、私がキャリアセンターに異動した際に、もともとお付き合いのあった労務管理ソフトの企業、SmartHRさんにセミナーへの登壇を依頼しました。このときは単発のセミナーで、税金や給与明細の見方についてお話しいただいたのですが、学生から非常に好評だったんです。「こんなに税金が引かれているなんて知らなかった」といった驚きの声がたくさん上がり、このような機会を設けることで、学生に将来の自分の姿をイメージしてもらえると感じました。その後本格的に企画を検討し、2024年度は5回にわたって開催することになりました。
キャリアセンターとしては、セミナーの受講を通して学生が社会人としての具体的なイメージを持ち、より主体的に就職活動に取り組めるようになることを目指しています。主な対象者は就活が本格的に始まる3年生ですが、もっと早い段階から興味を持ってくれると理想的なので、低学年の参加も期待しているところです。
住まい探し、給与の仕組み、海外駐在──多様なセミナーを開催
──全5回それぞれのセミナーの内容について、詳しく教えていただけますか。
第1回は「デジタルマーケティング」をテーマに、その道のプロである企業、グラッドキューブさんに講師を務めていただきました。実際に「ChatGPT」に触れながら、生成AIをマーケティングに活用する実践的なスキルを学ぶセミナーでした。
第2回は「東京都内での1人暮らし・住まい探し」について取り上げました。不動産管理システムを提供するいえらぶGROUPさんにご協力いただき、物件探しのポイントや生活費の管理について解説していただきました。
第3回・第4回は「お金」をテーマにした回でした。第3回は、再びSmartHRさんを講師にお呼びして、給与の仕組みや社会保険について学ぶ内容でした。第4回は金融経済教育推進機構さんのご協力のもと、投資や保険、金融トラブルなどお金の全般的な話を取り上げました。
最後の第5回は「海外で働く・暮らす」ことをテーマにしました。総合貿易商社である野澤組さんから駐在経験のある社員の方を招き、キャリアについてディスカッションしていただきました。