東洋大学と埼玉大学は包括協定を締結し、9月17日に締結式を実施した。同協定は、教育・研究・地域貢献・産学官金連携の各方面で広く協力して、理工系女子育成の強化を目指した体制づくりや、共同利用による研究施設の有効活用を通じて、社会への貢献に寄与することを目的とする。
今回締結された包括連携協定によって、両学で1200名を超える研究者の専門知識と経験を活かして、多様な分野での融合研究の推進を通じて、世界が直面する多くの課題への貢献を目指す。
あわせて、埼玉大学と東洋大学川越・朝霞キャンパスの地理的利点を生かして、埼玉県の女性研究者と技術者が活躍する場を提供する。さらに理系女子の育成サポートといった、埼玉県の多様性の推進や施設の共同利用などによる、日本から世界に向けた教育・研究交流の促進を図る。
同協定に基づいて連絡協議会(予定)を設定し、
- 研究施設および研究機器の共同利用
- 「彩の国女性研究者・技術者ネットワーク」の強化
- 「理工系の豊かなイメージと多様な未来を!彩の国・理工系進路選択エンカレッジプログラム」の共同実施
といった枠組みの加速を予定している。
研究施設および研究機器の共同利用では、東洋大学の「朝霞研究機器共同利用センター」(朝霞キャンパスに10月開設予定)や「バイオ・ナノエレクトロニクス研究センター」、埼玉大学の「研究機構科学分析支援センター」の共用を推進することで、社会課題への解決スピードを加速させる。
「彩の国女性研究者・技術者ネットワーク」の強化では、女性研究者・技術者のキャリア支援と専門性の向上を図りつつ、両学の連携を通じて科学技術分野における女性のリーダーシップを育成して、多様な人材が活躍できる環境を創出する。「彩の国女性研究者・技術者ネットワーク」は埼玉大学が主催しており、このネットワークに、東洋大学が進行している「ダイバーシティ&インクルージョン推進プロジェクト」が参画する。
「理工系の豊かなイメージと多様な未来を!彩の国・理工系進路選択エンカレッジプログラム」の共同実施では、埼玉大学が女子中高生の理工系分野への関心を高める活動を展開すべく設けている「彩の国理工系女子のためのエンカレッジ拠点」に、理工系学部での女子学生の割合が増加傾向にある東洋大学が参画する。埼玉大学は、大学教員が中学や高校に出前授業を行うとともに、サイエンス体験サマースクール、ワークショップ、ものづくりの現場訪問、研究者との懇談会を開催している。東洋大学の参画によって、女子学生が中高生に理工系の魅力を伝え、女子中高校生にとっての将来像をイメージしやすいロールモデルを提供するといった効果が期待される。
ほかにも、以下のような取り組みを行っていく。
- FD(ファカルティ・ディベロップメント)、SD(スタッフ・ディベロップメント)研修の共同開催、相互参加の実施
- 学生交流や課外活動の交流
- 図書館の相互利用
- 教職員の派遣や交流 など
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