誠勝は、デジタルアーカイブ構築・利活用に伴走する統合サービス「そのままスキャン+(プラス)」の提供を、5月14日から開始した。
「そのままスキャン+」は、大学や企業、自治体など法人に対し、デジタルアーカイブ構築・運用・利活用にまつわる長期的・包括的な支援を提供する統合サービス。
同社はこれまで、スキャン代行サービス「そのままスキャン」を通じて企業・団体の史資料の電子化を支援してきた。今回提供を開始した「そのままスキャン+」では、史資料の電子化作業だけでなく、デジタルアーカイブ構築に最適な機材の選定から、史資料の整理、関連機関との連携、公開後の利活用プランの立案まで、デジタルアーカイブ構築の各フェーズに伴走する支援を提供する。
「そのままスキャン+」のおもなサービスは以下の通り。
1.産学連携教育を想定した史料デジタル化支援
大学などの教育研究機関が保有する、文化的価値の高い史料のデジタル化に加え、産学連携の取り組みなどを通じた、長期的な利活用のプランを提案する。同サービスはおもに学芸員課程を持つ大学を想定対象としているが、図書館司書課程を持つ大学向けとしても応用が可能となる。
2.伝統工芸品アーカイブ構築&利活用支援
伝統工芸品や関連する史資料を持つ企業に対し、その史料の研究・アーカイブ化に関心を持つ大学との連携調整や、産学連携教育を通じた、学内外の利活用促進による認知拡大など、長期的なデジタルアーカイブ構築・運用・利活用支援を行う。
3.教育委員会向け公文書管理支援サービス
教育委員会が保有する公文書の資料収集および整理・デジタル化と、今後増加が予想されるデジタル歴史公文書の維持管理および利活用を包括的に支援する。行政文書の搬出・電子化から貴重な歴史公文書のデジタルアーカイブ構築・利活用までをトータルにサポートできる。
4.公文書管理用スキャナーレンタルサービス
公文書の電子管理を目的とした、Avision社製の業務用スキャナーのレンタルサービス。特に行政文書など機密性の高い文書を、最小限の費用で電子化できる。
同社はこれまで、法人・教育機関などから書籍・図面・絵画などさまざまな媒体の電子化を依頼されていたが、電子化を実施した後のアーカイブ運用・利活用の方法に悩む声が寄せられることが多くなっていた。
実際、政府はかねて省庁、国立国会図書館、博物館、研究機関などの連携による「デジタルアーカイブジャパン」の体制を整備し、2020年に分野横断プラットフォーム「ジャパンサーチ」を正式公開するなど、デジタルアーカイブの拡充と利活用を促すための戦略方針とアクションプランを定めているが、地域アーカイブを推進するための基盤となる人材の不足が課題となっている点が明記されている。
このような背景から、史資料を電子化した後のライフサイクルまで伴走し、デジタルアーカイブの長期持続的な運用・利活用を支援するサービスの開始に至った。
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