みんなのコードとキンドリルジャパンは、2023年度よりパートナーシップを締結し、広島県の「商業高校の情報教育改革支援」を行ったことを、4月23日に発表した。
商業高校をはじめとした専門学科では、「情報I」を履修せず各専門科目内の「情報I」代替科目を履修することになっている。商業高校には情報処理科を設置している学校も多く、そこには情報系の進路を志す生徒が希望を持って入学しているものの、商業高校で行われるプログラミングの授業は検定試験のための内容に留まり、デジタルの価値を創造するスキルや情報系のキャリア観を身につける機会を、生徒に提供できている教員が少なくないという背景がある。
広島県内の教員が持つ「生徒に育むべき資質・能力」への転換に十分に対応できていないのではないかという問題意識を受けて、みんなのコードは広島県内4校の商業科と連携。今後の社会における産業界の変化にも対応していこうとする生徒の育成を目的に、プログラミングを含む「情報教育」のあり方をアップデートするための取り組みを実施した。
2023年度は地域における情報教育へのアクセスを向上させるべく、とりわけ教員への支援を行っている。具体的には、各高校の要望に応じて以下のような教員研修を実施した。
- Pythonを使ったプログラミング実践
- 大学共通テストの概要
- AIと学校教育
- エンジニアによるWebアプリ開発実習
あわせて、商業高校の教員からの授業に関する疑問に、いつでもオンラインで応えられる状況を整えている。サポートは、元高校の情報科教員でもあるみんなのコードの永野氏が担当した。
さらに学校での学びと社会の関わりについて、教員が生徒に温度感を持って伝えられるようにすべく、広島商業高校の教員とキンドリルジャパンの社員がリアルで交流する機会を設けた。対話の中で、高校での情報の学びが生徒の歩む未来にどうつながっていくのかを実感してもらうことができたという。
そのほか、生徒に対してはキンドリルジャパンの社員によるキャリア授業が行われた。授業において生徒は、情報の授業で学ぶことが実際の社会でどのように役に立つのか、情報系の進路選択に関わらず社会で求められる基礎的能力や、社会人になっても学び続ける姿勢を学んだ。
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