パナソニック コネクトは、奈良女子大学の工学部と共同で、エンジニア分野のジェンダーギャップ解消に向けた「女性エンジニア養成プログラム(Women Engineers Program)」を3月11日~13日に開催した。開催場所は、パナソニック コネクトで実装機や溶接機の開発・製造・販売をグローバルに展開する、プロセスオートメーション事業部の豊中事業所(大阪府豊中市)。
同プログラムは、日本初の女子大工学部として2022年に開設された奈良女子大学の工学部が主催する、工学分野に興味関心を持つ女子学生(中学3年生・高校生~大学生)を対象にした企業ワークショップ。参加企業各社が独自のワークショップを開催し、先端分野の紹介・技術演習、および学生同士の交流の場となることを目的に開催されている。
今回のワークショップには、北海道から九州まで全国から15名(大学生4名、高専生8名、高校生3名)が参加した。学生自身が創意工夫を凝らしてプログラムで得た知識をもとに、実際に動かせるモノを造ることに挑めるメニューも組み込んだ、3日間のプログラムが実施された。
1日目は、溶接の基礎講習から始まり、ARシミュレーションを用いた溶接作業の疑似体験を行った。参加者からは「自分の普段の生活が、たくさんの溶接に囲まれていることに驚いた。自動化が難しい溶接作業も依然たくさんあるとのことですが、ARシミュレーションでハンド溶接の難しさを痛感しました」といったコメントが寄せられた。
2日目は、溶接機の仕組みを中心にした技術講座が開催された。工場見学で溶接機がどのように製造されているのかを理解した上で、溶接機の操作・安全講習を経てハンド溶接によるオブジェ作成(フォトフレーム)に挑戦している。パナソニック コネクトの溶接のプロフェッショナル社員が付きそう中で、1人ひとりがハンド溶接を行った。
3日目は、メインイベントとなる「チームで制作課題に挑戦」が行われ、5つのチームに分かれてポンポン船を制作した。採点項目は、船の速度や密閉度だけでなく、溶接の美しさやオリジナリティ、チームワークといった、制作過程も評価対象となった。学生たちは、直進性の工夫にアイデアを出し合いつつ、ポンポン船のデザインを決めて制作に取り掛かり、発表会では沈んでしまった船もあったものの、チームで協力し合った充実感が発表会場に溢れていたという。
ワークショップの最後には、パナソニック コネクトの技能者・技術者7名との懇談会が実施された。懇親会は3チームに分かれて行われ、社員が途中で入れ替わってすべての学生がすべての社員との会話が可能となった。
懇談会の後は制作課題の表彰式が行われ、個人で作成したフォトフレームはお土産として持ち帰った。参加者にはフォトフレームに飾るための集合写真も贈られている。
なお、3日間のワークショップ全体に対する満足度は、4.93点(5点満点)と高い結果となっている。参加者からは「インターネットでの表面上の情報と違い、実体験や経験者との交流で得られる知識は非常に価値のあるものだと感じた」「『女性エンジニアになりたい』という同じ志を持つ人たちと進路や学校生活の話ができてよかった」などの感想が寄せられた。
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア