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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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キーパーソンインタビュー

世界初の人工知能型教材で、子どもの学習時間を短縮し、将来のことを考える余裕を作り出したい――COMPASS CEO神野元基氏インタビュー


 現在、東京・世田谷の三軒茶屋でAI先生が教える塾「Qubena Academy」を運営し、世界初の人工知能型のタブレット教材「Qubena(キュビナ)」で、「ミライITアワード」を受賞するなど、確かな実績を上げながら教科の拡大などに取り組む、COMPASSのCEO・神野元基氏に話を聞いた。

株式会社COMPASS CEO 神野元基氏
株式会社COMPASS CEO 神野元基氏

コミュニケーションや感情へのこだわりから生まれた、
世界で初めての人工知能型教材

――神野さんが人工知能型教材「Qubena」に取り組むことになったきっかけを聞かせてください。

神野:北海道の網走出身なのですが、上京してSFC(慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス)に入学できたのが大きかったです。大学1年生で「私は小説家としてデビューしています」という人をはじめ、故郷に比べてSFCにはさまざまな人がいて、いい意味で変人ばかり。居心地がよく、「私も何かやってみよう」という気になりました。

 その後、学生ベンチャーのような企業を設立。電子出版の会社も立ち上げ、仕事が楽しくなって大学を中退しました。そうこうするうち、「そろそろ、人類はどう生きるべきか、どう進化すべきなのかを突き止めたい、そのためにはテクノロジーとしっかり向き合う必要があるだろう」と思い、シリコンバレーに向かいました。

 当時、取り組んでいたのはWebカメラを用いた表情認識。笑っている、泣いている、怒っているなどの感情を数値化するエンジンを開発しました。なぜ、そんなことを始めたのかというと、アメリカでタクシーに乗った際、運転手に「日本人か」と聞かれたため、「そうだ」と答えると、その運転手は「ヒロシマ、イエーイ!」と声を上げました。―瞬、私は日本をバカにしているのかと思い、カチンと来そうになったのですが、運転手は広島を訪れたことがあるということでした。

 その出来事を受けて、コミュニケーションの問題について考えました。悪気はないのに誤解が生じ、争いに発展することもあります。しかし、Webカメラによる感情認識エンジンがあれば、気持ちが伝わりやすくなるのではないかと思ったのです。

 時をほぼ同じくして、グーグルが人工知能研究を発表していましたし、2005年にレイ・カーツワイル博士が提言した「シンギュラリティ(技術的特異点)」に私は注目していました。「シンギュラリティ」とは、人工知能が人間の能力を超える時点のこと。そのタイミングを、カーツワイル博士は2045年と予測しています。

2045年問題を子どもたちに伝えるため、
日本に帰国して学習塾を設立

――「シンギュラリティ」について、最近よく耳にしますね。

神野:仮に2045年に「シンギュラリティ」が起こるとして、その頃私は60歳近くになっていますから、人工知能が人間の能力を超えることになったとしても、私の人生にはそれほど大きな影響を与えないかもしれません。

 では、「シンギュラリティ」の影響を最も大きく受けるのは誰か。それは、子どもたちでしょう。例えば、現在の中学1年生は、2045年には40歳くらいになっています。一般的に見れば、仕事にバリバリ取り組む年齢でしょうし、人工知能の発達によって、多くの職業を人工知能がこなすようになったとすれば、仕事をする上で大きな影響を受けることになるでしょう。

 それで、子どもたちに未来のことを伝えなきゃ、と日本に戻り、八王子に塾を作りました。

――そこから、「Qubena」の開発を始められたのでしょうか。

神野:「Qubena」の開発に至ったきっかけは、お話しした通りです。子どもたちに未来についての予測を伝え、人工知能時代をどう生き抜いていけばいいのかという話をして、自分たちで色々と考えてもらいたいと思いました。ところが、学校の宿題や定期テスト、部活や習い事などで子どもたちは忙しく、将来のことを語る時間や余裕はほとんどないのが実情です。

 そこで、子どもたちに時間のゆとりを与えるためには、短時間で勉強ができればよいのではないかと考えました。「効率のよい学習方法を」と考えて開発したのが「Qubena」なのです。

タブレット上で動作する人工知能型教材「Qubena(キュベナ)」
タブレット上で動作する人工知能型教材「Qubena(キュベナ)」

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子どもたち一人ひとりのレベルにあわせ、 人工知能が問題を出すことで学習効果が7倍に

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この記事の著者

大倉 恭弘(オオクラ ヤスヒロ)

デザイナー出身のコピーライター、ライター。広告やWebの企画・制作をはじめ、インタビュー取材・構成にも数多く携わる。2児の父であり、ICTやプログラミング学習など、教育関連の情報サイトでの執筆も少なくない。HTML、CSS、JavaScript、Swiftを中心に、ほぼ独学でプログラミングにも取り組...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


斉木 崇(編集部)(サイキ タカシ)

株式会社翔泳社 ProductZine編集長。 1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専門分野)を卒業後、IT入門書系の出版社を経て、2005年に翔泳社へ入社。ソフトウェア開発専門のオンラインメディア「CodeZine(コードジン)」の企画・運営を2005年6月の正式オープン以...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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