MM総研は、全国すべての自治体における教育委員会を対象に実施した、GIGAスクール構想実現に向けた小中学校におけるICT環境の利用状況に関するアンケート調査の結果を、2月16日に発表した。同調査は、2023年11月~2024年1月の期間に行われ、1101の教育委員会から回答を得ている。
調査結果によれば、GIGAスクール端末を毎日利用している自治体の割合をシーン別にみると、授業が77%、端末の持ち帰りが24%、教員による授業以外での利用が40%となった。
GIGAスクール端末の授業での利用用途について尋ねたところ(複数回答)、1自治体あたりの利用用途の数は平均で4.9と、用途が時間とともに広がっていることが明らかになっている。また、用途別の利用率としてはいずれの用途も自治体数ベースで約6~8割弱と、いずれの用途でも利用率が伸びている。なかでも、「教員と児童生徒のやり取り」「児童生徒同士のやり取り」での利用が大きく増えた。
授業における用途数をみると、7つ以上の用途で利用している自治体が44%に達し、1年間で31ポイント増加している。一方で、1~2つの用途で利用している自治体は24%と、前回の調査から5%減に留まった。
教員のICTスキルが不足している要因を尋ねた質問(複数回答)では、「習得のための時間が足りていない」(64%)がもっとも多く、「デジタルに抵抗感がある教員が多い/メリットを感じない」(57%)がそれに続いている。一方で、教員のICTスキルを上げる上で「気軽に相談できる環境がない」「校長などリーダーの積極性が足りない、後押しがない」「スキル習得のためのコンテンツがない」といった回答は1割程度に留まった。
生成AI活用の推進・制限状況を尋ねたところ、児童生徒に対しては「活用を推奨」が7%と少なく、「活用を制限」が19%で、「特に推奨や制限はしていない」は74%となっている。一方、教員に対しては推奨が14%、制限が8%と、児童・生徒よりは推奨する方向といえる。
教員に対する生成AIの活用推奨・制限状況を、授業における端末用途数別でみると、用途数が多い自治体ほど推奨する割合が高くなる相関関係がうかがえる。
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