日立ソリューションズ東日本は、茨城県つくば市が公募した「令和5年度 つくばスマートシティ社会実装トライアル支援事業」において、同社の提供する個別教育支援システム「ぴこっと」が採択され、3月8日まで同市の小学校や放課後デイサービスなどの施設をフィールドに、トライアルを実施することを1月12日に発表した。
「ぴこっと」は、福井大学・福井工業高等専門学校において2009年から研究開発したシステムであり、日立ソリューションズ東日本が提供している。同システムは、自閉スペクトラム症、AD/HDなどの発達障がいや、不登校などでこころや体の問題を抱える児童生徒の個別支援につなげられる。
具体的には、児童生徒を支援する学校の教員・保護者・支援機関が、普段の行動や所感およびチェック項目をシステムへ入力して情報を共有し、一人ひとりに適した支援を実現するための協働作業をサポートする。このサポートによって、本人に適した支援計画の立案や、その振り返り作業の質の向上、および教員・職員の作業負荷軽減が期待できる。
さらに「ぴこっと」を就学時だけでなく、就業まで継続適用することで、学習・行動・成長記録などをポートフォリオのように残せる。教員や支援者など、環境が変わってもスムーズな情報共有が可能になって継続的支援に結びつけられ、障がいの有無に関わらず誰1人取り残さないライフプラン全般をサポートできるようになる。
「令和5年度 つくばスマートシティ社会実装トライアル支援事業」では、つくば市内の
- 通級指導教室や特別支援学級などに通う小中学校の児童生徒のうち、参加を希望する人
- 放課後デイサービスに通う小中学校の児童生徒のうち、参加を希望する人
を対象に、指導者と保護者で相談した目標項目に対して、日々の状況や課題、および成果を情報共有していく。これにより、本人をよりよい成長へと導くことを目指す。
先行事例では、以下のような成果が得られた。
- 学校や家庭であったことがわかるので原因がわかりやすく、環境調整などに役立つ
- いつでも過去の登録情報が手軽に参照できるので、振り返りや支援計画作成がやりやすい
- 成長を促すよう利用でき、うまくいくケースが多くなった
- 意思伝達などにおけるトラブル発生が減った
- 育成計画の振り返りや見直しがとても楽になった
- 不登校児童が学校に通えるようになった
日立ソリューションズ東日本は、4月以降に「ぴこっと」のサービスリリースを計画している。今回の「令和5年度 つくばスマートシティ社会実装トライアル支援事業」の実施結果をもとに、ニーズや活用方法などを分析して、実用化に向けて必要な機能の搭載や見直しなどを行っていく。
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