河合塾は、教育関係者を対象に実施した、ChatGPTなど生成AI技術の教育現場での活用に関するアンケート調査の結果を、10月12日に発表した。同調査は、9月4日〜18日の期間に行われ、115名から回答を得ている。
調査対象者に、生成AIの生徒・学生への利用について尋ねたところ、「禁止や制限をしても生徒の活動すべてを確認することは難しい。それよりは生成AIの使い方について主体的に考えさせるべき」「今後、生徒が利用する流れは止められない」といった意見が寄せられた。また、調べ方や議論の起点づくりといった「アドバイスやアシストとして活用するのが好ましい」という意見や、生成AIを鵜吞みにせず出典を調べる、または「情報の真偽や著作権などに留意しながらの活用が望ましい」といった、利活用の方向性や留意点に関する意見も寄せられている。一方で、「安易に頼ると独創的な考えが阻害される」といった思考力の低下を懸念する意見もみられた。
教員による生成AI利用についての考えや利用方法について尋ねた質問では、教員の業務効率化に有効との意見が複数寄せられた。とりわけ、保護者へのお知らせや案内状といった「文書作成」で活用する意見が多い。また、英文作成や添削といった英語科の利用や、問題作成・小論文の添削といった教科指導など、「教育活動における利用」の実践事例も寄せられた。
高校において、生成AIの利用方針が「出ている」という回答は26%に達し、5月に行われた調査よりも17ポイント増加している。また、「方針が出ている」と回答した高校教員にその方向性を尋ねたところ、回答は「ルールを設けず、留意しながら活用する」と「ルールを定め、その範囲内で活用する」に2分され、利用を禁止する学校はほとんどなかった。なお、「方針が出ている」高校では、「学校としての姿勢をまとめ、ガイドラインを生徒および保護者に発信した」といった回答も寄せられている。
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