岡山県笠岡市・矢掛町中学校組合教育委員会とジョイズは、英語学習クラウド「TerraTalk」を活用した個別最適化学習の取り組みについて、11月4日に発表した。
英語学習クラウド「TerraTalk」は、エンジンを軸に対話形式、音読形式のエクササイズを提供することで、学校現場で不足しがちな発話量を補うと同時に発音矯正を行える。また、LMSを活用して児童生徒の英語力を定量的に可視化し、個別最適化された学習の実現に向けて指導の優先順位付けや生徒ごとの教材難易度を調整できる。
具体的な取り組み内容としては、笠岡市・矢掛町中学校組合立小北中学校において「即興で話せる英会話力の取得」「個別最適化学習」を実現すべく、令和2年7月に「英語力向上ICT活用事業」の一環として「TerraTalk」を導入した。
令和3年度、4年度には、韓国学生との交流会を行い、自己紹介や学校、地域についてお互いが英語で発表し、自己紹介については事前に「TerraTalk」を活用して練習した。また、練習の成果を確認するため、ALTとスモールトークにも取り組み交流会に臨んだ。このように、同校では「TerraTalk」を活用することでALTを含む既存の教育施策との相乗効果を生み出している。
さらに生徒たちは教員の指示のもと、授業で習った英文法を用いた会話練習を「TerraTalk」で実施し、活動を通して「使える英語」の定着を図っている。本年度の夏休みにはGIGA端末を家庭に持ち帰り、「TerraTalk」で配信されたスピーキングの宿題をこなすなど、授業外であっても英語に触れ、話す機会が増えた。
以上の取り組みの結果、ALTのみの施策に比べて1.5~2倍のスピーキング活動を生み出すことに成功した。ALT施策との質的な違いとして、積極的に話せない生徒にもスピーキングの機会を提供することができるようになった。
また、単純な発話機会の提供にとどまらず、「TerraTalk」を練習台にすることで、ALTと実際に英語で会話する場面において完全な文を作れなくてもコミュニケーションにトライする意欲面の向上も見られた。「個別最適化学習」の点では、生徒自身のペースで繰り返し「TerraTalk」の教材に取り組み、月20分程度の個別な学びを実現できるようになった。
笠岡市・矢掛町中学校組合教育委員会とジョイズは今後、英語教育×ICTのよさを生かしつつ、紙の教材では実現できない学びを生み出す「TerraTalk」の活用を推進していく。生徒の学習データをもとに、さらなる活用場面の模索や各生徒がフィードバックを得つつ繰り返し学習を行える個別な学びを実現するための支援を行う。
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