金沢工業大学は、タカラトミーなどと開発を進めてきた「Beyond SDGs人生ゲーム」について、全国の小中高校など教育機関への学習支援を目的とする無償配布の募集を、9月8日に開始した。
「Beyond SDGs人生ゲーム」は、2030年を目標年としたSDGsの達成と、その先の2050年における「脱炭素社会」「循環型社会」「自然との共存社会」「ウェルビーイング社会」という4つの社会を内包した、理想の未来の実現に関する教育・学習を行うためのボードゲーム。億万長者を目指して競い合う一般的な「人生ゲーム」とは異なり、プレイヤー同士で協力することで理想の未来を目指す。
プレイヤーは「テラくん」「そらちゃん」「りくちゃん」「うみちゃん」といった地球・空・陸・海を司る4人の精霊となって未来の世界を旅していく。精霊たちは他の精霊を助けられる特殊能力を持っており、ゲーム内で獲得したお金を使うことでその能力を発揮し、このゲームの最終目標の達成に貢献できる。
それぞれのマス目は、政府機関・シンクタンクなどが公開している、実現性が高い未来の情報をバックデータとして作成されているので、ゲームを進める中で現実世界で将来どのような出来事が起こるのかを体験していくことが可能となっている。
ゲームの前半では、プレイヤーはSDGsの目標年である2030年までに、協力しあってSDGsの17個のゴールを集めていく。SDGs達成に貢献する取り組みを行う組織とその取組内容が描かれた「絆カード」を手に入れることで、SDGsのゴールを集めることができ、「絆カード」に取り上げられている組織は、ジャパンSDGsアワードをはじめ、日本政府などの信頼のおける組織からSDGsの取り組みを表彰された実際の企業等を取り上げている。2030年のマスまでに集められた17個のゴールの数によって、後半の難易度が変わる。
ゲームの後半では、2050年までに協力しあって「脱炭素社会」「循環型社会」「自然との共存社会」「ウェルビーイング社会」という4つの社会を実現すべく、技術とスキルを集める。総務省や文部科学省が公表している未来の技術に関するレポートを参考資料として作成された「革新カード」を手に入れることで、未来の技術とスキルを集めていくことが可能。2050年のマスまでに集められた技術・スキルの量によって、理想の未来の達成度が変わる。
SDGs推進センター所長である平本督太郎氏の著書『10歳からの図解でわかるSDGs 「17の目標」と「自分にできること」がわかる本（まなぶっく）』（メイツ出版・刊）などを副教材として組み合わせることによって、SDGsの学びを教育機関内で展開できるようになっている。
プレイ人数は2～4名で、推奨年齢は6歳以上。
無償配布を受けるにあたっては、文部科学省の補助事業の1つとして推進されている「SDGsイノベーション教育実践者コミュニティ」への参画が必要で、同コミュニティでは「Beyond SDGs人生ゲーム」をはじめとしたSDGsに関するゲーミフィケーション教材を授業内で活用している教育機関間での連携や学び合い、具体的には授業での活用事例の共有、効果的な活用方法の共有などを行っている。
申し込み方法の詳細は、金沢工業大学SDGs推進センターのWebページや「SDGsイノベーション教育実践者コミュニティ募集要項」を参照のこと。
この記事は参考になりましたか？
この記事をシェア