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清教学園、「探究学習と図書館活用のギャップを埋める授業実践の検討」に関する研究結果を発表

 清教学園中・高等学校は、文部科学省からの委託事業として「探究学習と図書館活用のギャップを埋める授業実践の検討」に関する研究を実施したことを、7月28日に発表した。同研究では、授業で活用できる図書館の体制がすでに整っており、実績もありながら、高校の探究学習で図書館が活用されない理由を明らかにし、授業改善を模索するとともに、実施した授業実践と図書館の活用が、どのように探究学習に貢献したのかを検証している。

 研究に先立ち、探究学習を履修した既卒生に対して「なぜ図書館を使った/使わなかったのか」「授業設計が自分たちの図書館活用にどのように影響したか」を調査したほか、前年に授業を担当した教員には「授業をどのように設計しているか」「どのような点で図書館が使い辛いのか」といった質問を行った。さらに、過去の生徒の成果物や図書館の利用統計データを用いて、参考文献がどのように、どれだけ使われていたのかを調査している。

 その結果、生徒からは「教員主体のテーマ設定では、生徒はわざわざ本を読んで学ぶ意欲が湧かない。簡単にまとめられているWeb資料に流れる」「本当に興味があるテーマであれば、本を読んで学ぶ。著者に手紙を送り直接取材もしている」といった意見が得られたほか、担当教員からは「図書館を使うことは授業時間の制約から難しい」「読書を推奨するが、たくさんの文献を読み込む学習スタイルが合うのは一部の生徒。多くの生徒にとってはハードルが高い」といった意見が得られた。

 同校では、これら事前調査の結果をもとに、

  • [仮説1]生徒主体のテーマ設定であるほど、探究学習に対する学習意欲が向上し、生徒は図書館を活用するのではないか
  • [仮説2][仮説1]に基づき授業を設計し、さらに図書館スタッフから図書探索の支援を受ければ、図書館の利用統計データにも変化が現れるのではないか

という2つの仮説を立て、それを検証すべく高校2年生に対してカリキュラム改定と授業改善施策を実施している。

 カリキュラム改定の内容は以下の通り。

  • テーマ設定に関する授業設計を改訂。授業担当者が生徒にテーマを与える授業から、生徒が自らの進路、興味関心に基づきテーマ設定
  • 資料収集に関する指導の充実。図書館やWeb資料をどのように使うかを、継続的に授業で指導

 授業改善施策の内容は以下の通り。

  • 図書館に併設された特別教室での授業実施
  • 学年全体の一部クラスで、司書教諭が授業を担当
  • 生徒の情報を図書館で共有。図書館スタッフが生徒のテーマ等を把握し、それに応じて図書を提供

 カリキュラム改定と授業改善施策経て、1年間の課程を終え、カリキュラム改訂・授業改善施策を実施した高校2年生と、カリキュラムを改定しなかった高校1年生の、授業評価アンケート、利用統計、参考文献図書冊数など各種データを比較した。[仮説1]については生徒主体のテーマ設定で研究を行う高校2年生の方が、教員主体のテーマ設定で研究を行う高校1年生よりも、「研究に興味を持って取り組むことができたか」「研究テーマに関する知識の理解」といったアンケート設問で、よりポジティブな結果となった。

 [仮説2]については、生徒主体のテーマ設定で研究を行った高校2年生の方が、教員主体のテーマ設定で研究を行った高校1年生よりも図書館を活用して学んでいる結果となった。とりわけ図書館スタッフ(司書教諭)が授業を担当したクラスでは、70%以上の生徒が3冊以上の図書資料を参考にするとともに、20%近くが「自分の研究に必用不可欠な図書資料があった」と答えている。また、高校2年生全体の、1人あたりの年間貸出冊数(ノンフィクションのみ)が、過去のデータと比較して約5倍に向上した。

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https://edtechzine.jp/article/detail/7927 2022/08/02 13:15

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