矢野経済研究所は、BtoB、BtoC各市場の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにすべく実施した、国内eラーニング市場に関する調査結果を4月12日に発表した。
同調査は、eラーニングシステム開発・構築・販売事業者、eラーニングコンテンツ開発・製作・販売事業者、 eラーニングを介した研修や講義を提供・運営する事業者(学習塾、語学学校、研修事業者など)、学習ソフトウェア開発・製作・販売事業者などを対象に、2021年11月~2022年3月の期間に行われている。
調査結果によれば、2021年度の国内eラーニング市場規模は前年度比13.4%増の3309億3000万円と見込まれる。内訳としては、法人向け(企業・団体内個人を含む)のBtoB市場規模が971億3000万円(前年度比12.6%増)、個人向けのBtoC市場規模が2338億円(同13.8%増)で、どちらもコロナ禍で需要の高まりが続き、市場の拡大につながった。
参入分野や個人向け・企業向けの区分に関わらず、ほとんどの参入事業者がポストコロナ・ウィズコロナにおいて、同市場が順調に成長していくことを見込んでいる。各参入事業者は、今後の市場動向における重要トピックスとして、遠隔教育やオンライン教育の定着、学習者の年齢によるeラーニング活用状況の違い、新たな事業者およびサービスの参入といったトピックを注視している。
同社では、2022年度の国内eラーニング市場規模は3645億5000万円(前年度比10.2%増)と予測する。2022年度もBtoB市場、BtoC市場ともにコロナ禍で高まった需要が維持されるとの予測から、eラーニングのユーザー数および利用企業数が増加するとみている。
一方で、市場全体を通してコロナ禍発生当初と比較してニーズが落ち着き始めていることや、BtoB市場では顧客単価の下落、BtoC市場では対面教育への需要の高さや無料学習サービスが数多く生まれていることなどの要因から、2020年度、2021年度と比較して金額ベースの伸長は抑制されると見込んでいる。2022年度のBtoB市場規模は1067億5000万円(前年度比9.9%増)、BtoC市場規模は2578億円(同10.3%増)との予測を示した。
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