コドモンは、こども施設向けICTシステム「コドモン」を利用している全国のこども施設を対象に実施した、保育士等採用に関するアンケート調査の結果を、12月21日に発表した。同調査は、11月5日~19日の期間に行われ、194件の回答を得ている。
調査対象者に、保育士採用における近年の傾向を尋ねたところ、「採用しにくくなってきている」が56.7%を占めており、「採用しやすくなってきている」という回答は10.3%に留まった。
数年以内で、保育士採用に関してうまくいかなかったケースがあるかを尋ねた質問では、「ある」が70.6%に達している。
2021年度の採用予定人数を尋ねたところ、「2~5人採用予定」(54.6%)がもっとも多く、「1人採用予定」(21.6%)、「採用予定なし」(10.3%)がそれに続いた。
2021年度の採用予定に対して、スケジュール通りに進んでいるかを尋ねた質問では、「例年通り」(36.1%)が最多ながら前年よりも20.1ポイント減、「予定に対して遅れている」(34.5%)は前年よりも増加している。
2021年度の採用が、「例年通り」「予定より早まっている」と答えた人に、その理由を尋ねたところ(複数回答)、実習生の受け入れや園見学の実施に力をいれている、Webページの充実や労働条件の魅力発信などを挙げる回答が寄せられた。
「予定より遅れている」「わからない」理由としては(複数回答)、「新卒の応募がまったくなかった」「わからない」といった回答が上位を占めたほか、前年と同様に新型コロナウイルス感染症の影響を挙げる回答も寄せられている。
例年多い求職者の応募ルートとしては(複数回答)、「学校に提出している求人票」(15.9%)、「ハローワーク」(14.0%)、「保育実習からの応募」(11.9%)、「自施設ホームページ」(10.5%)が上位となった。
オンライン面接などを実施しているかを尋ねた質問では、「実施していない」が76.8%を占めている。
オンライン面接などを実施していない理由としては、「保育園内で対面で話すことで、施設側も求職者もお互いへの理解が深まると思う」「オンライン面接の環境が整備されていない」「実習生から採用をしているため」、オンライン面接などを実施している理由としては、「感染症拡大防止のため」「遠方に住んでいる方からの応募も積極的に受け入れたいため」といった回答が寄せられた。
採用を行う上で、悩んでいる・苦労していることを選んでもらったところ(複数回答)、「『園の魅力』をどのように伝えればよいかわからない」(20.9%)、「現在の『採用方法』以外の追加施策を検討したい」(18.3%)、「現在の『採用手法』自体を見直したい」(14.9%)が上位となっている。
保育業界において、長期就労につながる人材を確保するために改善すべきと思うこととしては、「施設独自の魅力を職員全員で共有する」「明朗な給与規定を設け、給与水準を見直す。保育士に対しての待遇を充実させる」「『業務が多すぎて大変』というイメージをなくすために保育士の配置人数を見直す」といった意見が寄せられた。
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア