リンクアンドモチベーションは、同社の研究機関であるモチベーションエンジニアリング研究所が実施した、「就職活動結果と自己効力感の関係」に関する調査結果を11月9日に発表した。同調査は、グループ会社であるリンク・アイの登録学生(大学4年生・大学院2年生)433名に対して、7月末~8月中旬の期間に行われている。
同調査では「選ばれる個人」を検証すべく、実際の就職活動結果に関して
- 第一志望内定率:希望している企業、ないしは希望している業界や職種での内定を取得できたか
- 結果への納得感:就職活動に対して、納得感をもって終えることができたか
という、2つのカテゴリーに分けて調査項目を設計した。
その結果、「第一志望内定率」との関連性はみられなかったが、自己効力感が高い人ほど就職活動の「結果への納得感」が高いことが明らかになっている。
キャリア関連の研究において、有効な知見を提供する概念の1つに「自己効力感」があり、「自己効力感」は
- 課題特異的自己効力感:特定の場面において、一時的に影響を及ぼす自己効力感
- 一般性自己効力感:特定の場面に関わらず、日常生活全般で影響を及ぼす自己効力感
の2種類に分けられる。同調査では、調査の目的を鑑みて「特性的自己効力感」を「自己効力感」と定義し、分析を行った。
さらに、「他者の関わり度合い」を測るべく、同社が定義する「自己への期待」→「殻を破る挑戦」→「結果としての成功」→「自分への自信」という成長サイクルをベースとしつつ、グループ会社である進学塾モチベーションアカデミアにおける実践知も交えながら、以下の5項目を設定している。
アンケート結果から相関関係を分析したところ、「他者からの期待」と「自己効力感」に関して一定の相関がみられる。また、「挑戦への後押し」と「自己効力感」に関しても一定の相関がみられた。一方で、「選択肢の提示」「挑戦機会の提供」「失敗へのフォロー」に関しては、「自己効力感」との相関がみられなかったことから、過去に「他者から期待」をかけられていた人や、「挑戦への後押し」をしてもらっていた人ほど、自己効力感が高いことが明らかになっている。
これらの結果から、人生100年時代においてキャリア選択の“納得感”が重要となっており、学生の就職活動に焦点を当てて「納得感」高く就活を終えることができた人の特徴としては、過去に「他者からの期待」や「挑戦への後押し」を受けたことによる「自己効力感の高さ」が共通しており、自己効力感を高めることが、内定辞退の防止や入社後の定着化にも寄与する可能性が考えられる。
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