優れたEdTechスタートアップ企業を選ぶ、世界最大規模のコンペティション
「The Global EdTech Startup Awards(以下、GESA)」は、世界70カ所の国・地域から650社以上のEdTechスタートアップ企業が参加する、世界最大規模のコンペティションだ。大会では2017年における最も有望なEdTechスタートアップ企業を表彰するとともに、「技術革新」「読み書き能力の向上」「人工知能(AI)」の3つのテーマにおける優秀企業に特別賞が贈られる。
今回初めて開催された日本予選は株式会社EduLabが主催。同社取締役副社長 兼 CMOの和田周久氏は「国内から海外につながるEdTech関連のイベントはこれまで少なかった。しかし、日本にも海外で通用するEdTech企業がたくさんある。そんな折、GESA本部からのオファーを受け、開催に至った」と話す。
日本予選には8社が参加し、12月13日と14日に審査会が実施された。審査会のルールは本大会と共通で、各企業の代表者が20分でプレゼンテーションを実施、その後質疑応答が行われるといった内容だ。審査には和田氏のほか、東京大学 大学総合教育センター 特任講師である藤本徹氏と『統計学が最強の学問である』の著者、西内啓氏が参加。なお、和田氏は最終選考が行われる本大会でも審査員を務める。
選ばれたのは、基本無料で利用できる学習ノート共有アプリ
審査の結果、日本予選の優勝企業は学習ノート共有アプリ「Clear」を提供する、アルクテラス株式会社に決定した。表彰式では同社 代表取締役社長の新井豪一郎氏自らサービスを紹介した。
手書きのノートを共有する「Clear」はランキング機能やQ&A機能も搭載しており、SNSに近い感覚で利用できる。国内外で160万人以上のユーザーが存在する人気アプリだ。学生同士の学び合いを促進し、楽しく学習してもらうことが狙いである。
基本無料で利用可能だが、認定ユーザーが作成するプレミアムノートは1冊120円で公開されている。また、月額480円の会員になると制限なくすべてのノートが閲覧可能だ。
しかし、このユーザー課金部分が収益に占める割合はわずかだという。収益の柱となるのは塾や予備校といった教育機関向けのSaaSだ。こちらは「ClearS(クリアエス)」の名称で提供されており、先生から学びつつ、学生同士でも学び合いができる環境を作り出す。