ライセンスアカデミーは、全国の高等学校を対象に実施した、新規高卒就職に関する高校指導現場の状況に関する調査結果を、9月30日に発表した。同調査は、9月6日~13日の期間に行われ、706校から有効回答を得ている。
調査対象校に、1人1社ずつ応募する仕組み(いわゆる1人1社制)への賛否を尋ねたところ、「賛成」と「どちらかといえば賛成」を合わせた約8割の教員が、1人1社制に賛成であることがわかった。
賛成の理由としては、1社に集中して取り組むことのメリットを主張する意見が多く、「複数応募に対応する時間がない」と、スケジュール上の理由から現在のルールを支持する声や、「学校推薦の意味合いがなくなる」という高卒就職の在り方から賛成とする意見もみられる。
生徒の企業研究(企業比較・応募先の絞り込み)は十分にできているかを尋ねた質問では、「十分にできている」と「概ねできている」を合わせた回答が5割近くに達した。一方で、「不足している」と「やや不足している」を合わせた回答も約3割となっている。
企業研究が「できている」とする理由としては、「計画的な指導」を挙げるものが多く、「不足している」と答えた理由としては「職業・仕事への意識が乏しい」「求人票が出ないと現実問題として捉えることができない」「適性や希望が見えていない生徒は、いくら指導しても応募先が決定できない」といった回答が多かった。
応募前職場見学へは平均何社参加させているかを尋ねたところ、5割超の高校で平均「2~3社」となっており、「1社のみ」も3割に達している。
回答のうち「その他」は、複数社に見学へ行き、そのうえで応募する1社を決める場合と、見学は1社のみを原則とし、どうしても合わないと感じれば別の会社に見学へ行くという場合に分かれた。
企業が高校訪問する際に、提供して欲しい情報を尋ねた質問(複数回答)では、「具体的な業務内容」が8割近くを占め、「採用したい人物像」も約7割に達している。「仕事の内容」では、教員や生徒が日々の業務を十分にイメージできるような、より具体的で透明化された情報提供が求められており、「職場環境の情報」「離職者の情報」「入社後の教育環境」といった、職場への定着に関わる情報を求める声も3~4割みられた。
新規高卒者の早期離職の大きな要因になっているものは何だと思うかを尋ねたところ(上位5つまで)、「人間関係の問題」がもっとも多く、「安易な職業選択」「職業意識が希薄」がそれに続いている。ほかにも、「仕事内容が合わない」「やりたい仕事と違った」といった回答がみられた。
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