米Report Oceanは、世界のK12教育市場に関する新たなレポートを、9月14日(現地時間)に発表した。
K12は、一般的に大学入学前の最初の13年間の学校教育を指す言葉で、学生の初等・中等教育とも呼ばれる。また、5~6歳で初等教育が始まり、12~18歳の期間を中等教育と定義している。
同レポートによれば、世界のK12教育市場は2020年に約1400億4000万ドル規模に達しており、2021年~2027年の予測期間には26.7%超の健全な成長率が見込まれる。
このような成長は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大によって、さまざまな経済圏がロックダウンを発表したことから、教員は講義を受けるためにオンラインやデジタルメディアを選ぶようになったことが背景にある。また、世界中でのオンライン教育の急速な普及や、教育分野で採用されている技術革新や進歩が、今後数年間の市場成長の原動力になると予想している。
Shift Disruptive E-learningの調査によれば、eラーニングは従来の教室での学習と比較して、従業員の作業時間を40~60%削減し、8~10%の教室での学習に比べて定着率を25~60%向上させることができたという。
World Education Servicesによれば、世界のeラーニング市場は2016年のMassive Open Online Course(MOOC)が6850だったのに対して、2017年には9400に増加しており、2025年には3310億米ドルまで成長すると予想される。
Holon IQによれば、AIをベースにした教育技術の支出は、2018年では8億米ドルに達し、2025年までに61億米ドルに及ぶと予想している。また、ロボットベースの技術は13億米ドルで、2025年まで31億米ドルの成長が見込まれる。一方で高等教育費の増加は、予測年間における市場の成長を妨げる要因ともなっている。
同調査の地域分析は、アジア太平洋地域、北米、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、その他の地域といった主要地域を対象としており、北米は教育分野での先進技術やイノベーションの採用によって、市場シェアの面で世界をリードする。
また、アジア太平洋地域は2021年~2027年の予測期間において、もっとも高いCAGR(年平均成長率)を示すと予想され、政府の取り組みが進んでいることや、教育分野でオンライン学習の導入が進んでいることなどから、K12教育市場はアジア太平洋地域全体で有利な成長が見込まれている。
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