共同印刷は、各種試験における答案用紙のスキャンデータを採点者がWebブラウザ上で採点する「記述デジタル採点システム」の構築を、9月15日に発表した。提供開始は2022年1月を予定している。
大学共通テストで記述式問題の導入が見送られたこともあり、文部科学省は個別入試における記述式問題の充実を促している。しかし、受験者一人ひとりの答案用紙を採点し得点をパンチ入力する現場では、非常に限られた時間で合否判定を行う必要があり、特に私立大学では記述式問題の採用を見送っているケースも多い。
このような状況を受け、同社は「記述デジタル採点システム」の開発に着手。同システムでは、あらかじめ問題別に採点者を振り分け、採点者はWeb上で同じ問題の採点を連続して行う。採点と同時に得点がデータ化されることで、採点時間の大幅な短縮につながり、数学のように過程を記述する問題や小論文への対応も可能となる。答案用紙の紛失や採点漏れ、パンチ入力ミスといったヒューマンエラーをなくすことで採点業務の効率向上を図るとともに、正答率など得点データの分析がしやすくなり、業務全体の品質向上が期待できる。
同システムでは、答案用紙に記載された受験者の氏名・大学名・試験名などはマスキングされるため、サーバ上に機微情報は一切残らない。また、OMR用紙に記述欄を追加することで、マーク式・記述式解答の読み取り後すぐに記述問題の採点が可能となる。加えて、採点当日の運営など、これまで同社が培ってきた試験運営BPOノウハウを活かし円滑に導入がサポートされる。
さらに同社は、この「記述デジタル採点システム」と合わせて試験業務を一括受託する「試験運営サポートサービス」を提供する。
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