イーオンは、現役小学校教員を対象に実施した「小学校の英語教育に関する教員意識調査2021 夏」の結果を、9月2日に発表した。同調査は、8月18日に同社が開催した「小学校教員向け指導力・英語力向上オンラインセミナー」への申し込みを行った教員132名に対して行われている。
調査対象者のうち、新学習指導要領において実際に小学5~6年生の英語を「教科」として教えた教員91名に、授業運営がうまくいっているかを尋ねたところ、「うまくいっている」と「おおむねうまくいっている」を合わせた回答は27%に留まり、「あまり自信がない・不安のほうが大きい」「うまくいっていない」を合わせた回答(33%)を下回った。
授業運営について、「あまり自信がない・不安のほうが大きい」「うまくいっていない」と答えた教員に、教えるのが難しいと感じている項目を尋ねた質問では、「スピーキング(やりとり)」(35%)がもっとも多く、「スピーキング(発表)」(16%)との差が生じている。
新学習指導要領において実際に小学3~4年生の「外国語活動」を教えた教員78名に、授業運営がうまくいったかを尋ねたところ、「うまくいっている」と「おおむねうまくいっている」を合わせた回答は22%で、「あまり自信がない・不安のほうが大きい」「うまくいっていない」を合わせた回答(24%)をわずかに下回った。
授業運営について、「あまり自信がない・不安のほうが大きい」「うまくいっていない」と答えた教員に、教えるのが難しいと感じている項目を尋ねた質問では、「スピーキング(やりとり)」(47%)で最多となり、「スピーキング(発表)」(21%)がそれに続いている。
小学校の英語教育改革にともなって、文部科学省が今後学級担任を持たず英語のみを教える「専科教員」の増員を進めていく考えを示していることについては、46%は「とてもよいと思う」と答えており、「どちらかといえばいいと思う」と合わせて8割超の教員が好意的な意見を持っていることがわかった。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、オンライン授業を実施した教員は35%で、オンライン授業で難しかった点や課題と感じた点としては、「児童の発言の促進・児童同士のやり取りの促進」がもっとも多い。また、対面授業とオンライン授業のどちらが教えやすいかを尋ねたところ、「対面授業の方が進めやすい」が26%に達し、「オンライン授業の方が進めやすい」という回答を大きく上回った。
2020年4月に始まり、1年が経過した小学校英語の教科化・早期化について、実際に教えてみて課題と感じた点を尋ねた質問では、「児童の評価の仕方」(22%)が最多で、以下「ALT とのコミュニケーション」(15%)、「クラスルームイングリッシュ」(14%)など、教員自身の英語力を要する項目が上位を閉めている。
教員自身が、英語力アップのための取り組みに1日あたりどのくらい時間を割けているかを尋ねたところ、「まったく取れない」という回答が24%に達し、「1日1時間未満」と合わせて8割超の教員が、1時間に満たないと回答した。週あたりでは、「週1~3時間」(43%)がもっとも多い。
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