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角川ドワンゴ学園、校長の奥平氏と理事の川上氏による教員の働き方に関する説明会を実施

 角川ドワンゴ学園は6月29日、一連の報道に関する、同学園の教員の働き方に関する説明会を実施。校長の奧平博一氏と理事の川上量生氏が、労働基準監督署より受けた是正勧告の内容と、同学園における教員の労働環境について説明を行った。

労働基準監督署の是正勧告内容について

 まず奥平氏より、同学園が2021年5月19日付で亀戸労働基準監督署より受けた是正勧告の内容と、その後の対応について説明が行われた。

学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校校長 奧平博一氏
学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校校長 奧平博一氏

 同学園に対する是正勧告は以下の4点。

(1)休憩時間が1時間取れない場合があることについての是正

 同学園は年に5日間のスクリーニングによる対面授業を行っており、その際は昼休みの40分のほか、担当授業のない時間を利用して合計1時間の休憩を取るよう、教員に指導を行っていた。

 しかし、一部の教員には1日の時間割すべてに授業担当が割り振られ、法律で定められた合計1時間の休憩が確保できないケースが存在した。発生率は10.7%(内訳:昼休憩40分のみ取得したケースが8.06%、休憩時間がまったく取得できなかったケースが2.63%)だった。なお、5月2日に行われた私学教員ユニオンとの団体交渉においても同様の指摘があった。

 これを受け、本年度のスクーリングからは、あらかじめ1時間の休憩時間を割り振った時間割を作成するフローに変更した。また、これまで1時間の休憩時間が確保できていなかった教員に対しては、未取得分を労働時間とみなし、月40時間の固定残業時間を超える分に関して賃金をさかのぼって支払うとした(14名、22時間分)。

(2)振替休日出勤に対する賃金の支払い方についての是正

 同学園では休日出勤時に必ず振替休日を取るよう指導しており、休日出勤月には割増手当のみを支払っていた。振替休日の取得率は99.13%で、振替休日を消化できなかった0.87%については年度末に清算を行っていた。

 本件について、労働基準監督署からは、月をまたいだ振替休日の場合は年度末ではなく休日出勤をした月に清算を行い、実際に振替休日を取得した月の給与から振替日数分を減額することが正しいという指摘があった。

 今後は運用を見直し、指摘に沿った賃金の支払い方法に変更する。なお、追跡調査の結果、法定休日に出勤していた教員がいたことが判明したため、休日出勤の割増差額分10%を支払うとした(33名、45件、5万1647円)。

(3)労使協定(36協定)を結ばずに残業をさせたことについての是正

 本年度については従業員代表の選出方法に不備があり、選出をやり直したため、2021年4月1日に労使協定を結ぶべきところが間に合わず、4月22日となった。

 これについて奥平氏は「まったく弁解の余地がないミス」と説明。今後は不備がないように労使協定を締結するとした。

(4)就業規則を労働基準監督署に届け出ていなかったことについての指摘

 2020年4月に開設した門前仲町事務所について、綾瀬営業所からの移転により所轄監督署が変わったにもかかわらず、就業規則を提出していなかった。なお、門前仲町以外の登録事務所は提出済みで、就業規則は前事務所共通のものを使用している。

 これについては6月12日に届出を行い、6月14日付で受理されている。

「教師1人で150人担任」という報道について

 続いて川上氏が、同学園における教員の労働環境について説明した。

学校法人角川ドワンゴ学園理事 川上量生氏
学校法人角川ドワンゴ学園理事 川上量生氏

 同学園のN高等学校・S高等学校の生徒数の合計は2021年5月1日時点で1万9732名。全国のキャンパスに通学するコースも存在するが、多くの生徒はインターネットで学習し、年5日程度スクーリングで対面授業を受ける「ネットコース」の生徒だという。

 川上氏の説明によると、現在ネットコース専任の教員(教員免許を持った常勤の教育スタッフ)は校長・副校長をのぞき195名(通学コースの担当者も含めると281名)で、生徒数を教員数で割ると1人の教員が担当する平均生徒数は101.18名になる。なお、同学園の本部が設置されている沖縄県の基準では、通信制高校は生徒約150人につき1名以上の教員を置くこととされている。

 教員免許を持つスタッフの業務としては、単位取得のためのレポートの採点やスクーリングでの授業、生徒・保護者との面談、Slackを使ったホームルームが挙げられる。そのほかの進路・面接対策指導や部活・学校行事、生徒指導支援、教務事務については分業化し、教員免許を保有しないスタッフが136名が担当している。また、部活や課外学習には非常勤のスタッフ約300名が携わっているという。

 続いて川上氏は同学園の教員の残業時間平均を提示。教員全体の月間平均は21.5時間で、残業時間に休日出勤を含めた時間外労働は25.7時間だという。同学園は固定残業手当として、休日出勤をのぞき月40時間分を支払っており「基本的には固定残業手当の範囲内の労働に収まっている」と説明した。

 ただし、スクーリングの期間には業務負荷が集中するため、2020年度は7月と10月に、全体の1割強の教員が40時間を超えることとなった。

昨年度は新型コロナウイルスの影響でスクーリングの開始が遅れ、7月と10月に業務負荷が集中した
昨年度は新型コロナウイルスの影響でスクーリングの開始が遅れ、7月と10月に業務負荷が集中した

 なお、休日出勤に対する振替休日の取得状況については、約9割の教員が当月もしくは翌月に取得し、振替休日の取得が集中している月はないという。

振替休日の取得状況 振替休日の取得状況

振替休日の取得状況

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