スリーエム ジャパンは、米3Mが人々の科学に対する意識を調査した「State of Science Index(ステート・オブ・サイエンス・インデックス)」2021年版の結果を、6月22日に発表した。
世界での調査結果では、科学の可能性について、個人用防護具(PPE)の製造からワクチン開発、新型コロナウイルス感染症への対応まで、世界全体が期待を高めていることが明らかになっている。
日本でも、人々の科学に対する信頼度が向上しており、とりわけ「日常生活で科学は非常に重要な役割を担っている」と回答した人が、2018年の調査開始時と比較して2倍以上となった。また、今後STEM分野で活躍する人材が今以上に必要になると考える人が増える一方、STEM分野の職種に就くハードルが高いこと、STEM教育における多様性の推進やジェンダー格差の解消が重要課題として挙がっている。さらに、多くの人が「パンデミックを機にさらに環境問題を意識するようになった」と回答した。
そのほか、日本での調査結果としては、科学を信頼すると答えた人が84%に達し、「科学が重視されなければ、社会に悪影響が出る」という回答も、2020年調査から5ポイント増の75%となっている。
科学に対する懐疑的な意識を持つ人は20%で、2020年調査から12%減少しており、懐疑的な意識を持つ理由としては、「理解ができないことを信じることは難しい」が50%を占めた。
科学への信頼度は、2018年調査から引き続き最高水準を維持しており、88%が「COVID-19の感染拡大を防ぐためには科学者のアドバイスに従うべきだ」と考えており、73%が「周囲のほとんどの人が科学的知見に基づき行動している」と答えている。また、87%が「衆衛生上の問題に科学が立ち向かうためには、ワクチンが不可欠」と回答した。
STEM分野に関しては、STEM分野におけるジェンダー格差について、女性が直面するSTEM分野での不公平感を解消するために、性別にかかわらずより多くの取り組みを行う必要がある、という意見が多い。
環境問題では、「パンデミックによりさらに環境問題を意識するようになった」という回答が多く、その中でも気候変動は新型コロナウイルス感染症への対策と同等に重要な問題であるとする回答が多かった。
持続可能な世界を実現するために、企業が優先すべき取り組みとしては、「開発する製品にリサイクル・再生可能な素材を使用する」などが上位を占めている。
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