デジタル問題集サービス「Libry(リブリー)」を手がけるLibryは3月19日、学習者用デジタル教科書の本格的な普及に向け、2022年春に「学習者用デジタル教科書機能」をリリースする計画を発表した。また、新たに高校社会科にも対応する。
「Libry」は、中・高校生を対象に、市販の問題集をスマホやタブレット端末を使って効率的に学習できるように支援するデジタル問題集サービスで、従来慣れ親しんだ紙とペンによる学習スタイルをほぼ変えずに、さまざまなデジタル化の恩恵を受けられることを特長としている。
出版社と提携により、市販の問題集を持ち運ぶ手間なくアプリ上で利用できる他、学習履歴の記録や、それに基づく自己分析、解くべき問題の推薦などにより、学習効率を高めることができる。
紙の教科書と同一の内容をデジタル化した「学習者用デジタル教科書」は、これまで「紙の教科書との併用」が基本とされ、「単独の仕様は授業時数の1/2未満であること(特別支援を除く)」という制限などが課せられていた。
一方で、1人1台端末環境の整備やデジタル教科書の発行状況が進展した背景を受け、令和2年12月の「デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議」により、児童生徒の健康への留意と、教員がICTを活用して指導力を向上させるための施策を講じることを前提として、授業時数の制限を撤廃する方針が打ち出され、今後「学習者用デジタル教科書」の利用が活性化する機運が高まっている。
なお、紙の教科書が無償で配布されるのに対し、「学習者用デジタル教科書」は有償である点も導入の障壁になっているが、文部科学省の令和3年度予算案において、「学習者用デジタル教科書普及促進事業」として22億円が計上されており、その中で「1人1台端末の環境などが整っている小・中学校等を対象として、デジタル教科書(付属教材を含む)を提供し普及促進を図る」という計画が示されている。
Libryは、2022年春に予定している新機能として、「クラスごとに個別最適化された宿題のリコメンド機能」「関連書籍・マルチメディア教材連携による“深い学び”支援」「ルーブリック評価による定量評価支援」「『主体的な学び』の推進とキャリアコンテンツの連携」を挙げている。
また、Libryでは、今後「Libry」を新しい学習指導要領でも重視されている「生きる力」を育む「デジタル教科書プラットフォーム」として位置づけ、進化させていくとしている。既に複数の教科書会社が「Libry」をデジタル教科書プラットフォームとして採用することが決定しており、社会科を中心とした高校用教科書・教材を出版する清水書院との業務提携も同日発表された。
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