全国の大学関係者が参加するUDA(大学ダイバーシティ・アライアンス)と、任意団体の「プライドハウス東京」コンソーシアムは、LGBTQと大学に関する全国シンポジウム「大学とセクシュアル・マイノリティ ~大学は何ができるのか、大学に何を求めるのか~」を12月11日にオンラインで開催する。参加費は無料で、事前登録が必要。
同シンポジウムでは、中京大学風間孝教授グループによる全国の大学を対象に実施した性的指向・性自認(SOGI)に関する施策や取り組みについての調査研究の速報や、東京大学ユアン・マッカイ特任助教グループによるLGBTQ当事者が大学において抱える困難とニーズに関する質的調査研究の報告、筑波大学河野禎之助教グループによる大学などの高等教育機関におけるLGBTQに関する包括的な取り組みの指標となる「大学プライド指標」開発構想についての発表が行われる。
そのほか、大学関係者(教職員・学生)をはじめ、企業や親世代の立場の登壇者が参加して、いま大学に求められること、大学ができることについて対話するパネル・ディスカッションも予定している。
開催日時は12月11日19時~21時。
全国の大学における性的指向・性自認に関する施策や取り組みについての調査研究は、大学の構成員が安心して学び働ける環境作りを促進することを目的に、全国の国公立私立大学に対して6月1日~8月31日に行われており、626件の有効回答が得られた。
同調査において、大学の学生支援担当部署に、LGBTなどの学生から配慮や要望の問い合わせを受けたことがあるかを尋ねたところ、50.5%が問い合わせを受けたことがあると答えている。
国公立私立大学別では、国立大学がもっとも多く(64.1%)、学生数1万名以上の大学では76.1%に達した。
大学におけるLGBTなどの学生への特別な配慮としては、「健康診断」(32.2%)、「トイレの対応」(31.8%)、「通称名での学生証の記載」(22.0%)が上位となっている。国公立私立大学別では、国立大学が最多(64.1%)で、学生数1万名以上の大学はすべてが特別な配慮を行っていた。
LGBTなどの学生支援のための手引きやガイドラインを作成している大学は8.7%で、国公立私立大学別では、国立大学がもっとも多い(28.2%)。規模でみると、学生数1万名以上の大学の割合がもっとも高い。
学生生活の手引きおよび学生相談室のWebサイトやリーフレットなどに、LGBTなどの学生への対応について記載している大学は14.7%で、国公立私立大学別では、国立大学が最多(36.4%)だった。大学の規模でみると、学生数1万名以上の大学の割合がもっとも高かった。
キャリア支援担当部署では、26.1%が学生から配慮や要望の問合せを受けたことがあり、就職活動やインターンシップ活動などにおいて、特別な配慮をしたことのある大学は26.8%に達している。
特別な配慮としては、「個別相談」(25.4%)、「LGBTフレンドリーな企業などの情報提供」(21.1%)、「性の多様性を意識したキャリア支援」(18.4%)が上位となった。
国公立私立大学別では、私立大学がもっとも多く(29.1%)、規模別では学生数1万名以上の大学の54.5%が特別な配慮を行っている。
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