大阪電気通信大学の情報通信工学部 通信工学科は、昨年度より3年生の「卒業研究室配属」をオープンな形でネットワーク通信によりリアルタイムで実施していることを、10月21日に発表した。ノーベル経済学賞を受賞した安定マッチングアルゴリズムを採用しており、学生と教員の双方の希望を最大限にかなえることができる。
まず、学生は希望する研究室を第4希望まで選び、Web上で電子投票を行う。各教員は研究室ごとに設けた評価基準をもとに学生を並べたリストを準備し、それぞれのデータをプログラムにセット。このリストはMD5ハッシュという技術により偽造防止される。
各学生のデータは、第1希望から順に希望する研究室に配属を願い出る処理が行われる。研究室側は、順位リストのデータに基づいて受け入れの可否をネットワーク通信で回答。希望が通らなかった学生の投票データは第2、第3希望と希望度の高い順にこの作業を繰り返していく。希望がかなわない学生も、教員評価が高い方の研究室に配属されることで、全員の配属が決定する。
本来は数秒で終わる処理だが、最新のアルゴリズム・通信プロトコル・偽造防止技術などを身近に体感してもらう学修効果も狙って、しくみを学生たちに伝えるために通信状況をリアルタイムに画面に表示している。
後の集計では93.8%の学生の希望がかなっており、配属方法に関するアンケートでも98.7%の学生が「従来の方法より安定マッチングを利用した方法が良い」と回答し、満足度の高い結果が得られたという。
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