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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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「Adobe Education Forum Online 2020」イベントレポート(AD)

北海道大学大学院の事例から学ぶ、これからの高等教育機関が専門性に加えて育成すべきものとは?

「Adobe Education Forum Online 2020」セッションレポート

重要性が増す「デザイン力」を身につける「デジタルクリエイティブ基礎」講座

 「教養深化プログラム」の中で、特に「デザインの発想と表現設計のセンスを磨く」ための講座として設置されているのが「デジタルクリエイティブ基礎」(DC基礎)と呼ばれるカリキュラムだ。

 加藤氏は、教養深化プログラムにおける「デザイン」の概念を「意図的に情報の伝わり方、伝え方を制御すること」「構成を決めること、設計すること」だと広く定義する。情報の伝達と理解に費やせる各人のリソースが限られている現在では、相手に自分の意図を「理解してもらう」にあたって、「伝えるべき情報に優先順位をつけて効率的な受容を誘導せざるを得ない」とする。こうした「相手に理解してもらうために、伝える情報や伝え方を制御できるスキル」こそが「デザイン力」だ。

 「現代はデザインが求められる時代であり、大学院を修了した人材が社会の中で活躍していくにあたっても、デザイン力は必須のスキルとなっている」(加藤氏)

 北海道大学大学院での「デジタルクリエイティブ基礎」講座は、アドビのサポートによって開講されている。アドビでは、2018年に筑波大学向けに同講座のカリキュラムを開発。アドビが講師を派遣し、学生たちがビジュアル表現を学ぶ授業だ。これまでの約3年で、筑波大学のほか、千葉大学、山形大学、横浜国立大学などで単位認定される一般教養科目として開講してきた実績がある(事例一覧)。さらにその発展形として、オンラインで同講座の内容を授業化できるオンラインパッケージ版の提供を開始することがEducation Forum 3日目にアドビから発表された。

 初年度からカリキュラムの開発と教材制作、授業にあたってきたアドビの担当者は、様々な企業の制作現場のコンサルティングに携わってきた経歴を持ち、大学での授業が実社会とつながる内容となることを意図したという。

 アドビ、教育市場部部長の小池晴子氏は、大学の一般教養課程に「デジタルクリエイティブ基礎」を含めることの意義について「カリキュラムの開発当時は、小学校でのプログラミング教育に注目が集まっていた時期でもあり、それに対して大学での情報教育は、もう一歩進んだITリテラシーを育てる必要があるのではないかという問題意識があった。大学生活後半の専門課程へ進んでいった際に、自分が取り組んでいる研究の内容や価値を、他の人により理解してもらいやすい形にデザインして伝えられること、クリエイティブツールを使って情報をデザインできるスキルを身につけておくことが大切だと考えた」と説明する。

 デジタルクリエイティブ基礎講座は、「ビジュアル表現」「画像処理」「タイポグラフィー」「映像制作」の4部から構成されており、それぞれについて、情報デザインに関しての理解を深める「講義」と、Adobe Creative Cloudのツール群(Photoshop、Illustrator、InDesign、Premiere Rush等)の使い方を学ぶ「演習」とがセットで展開される。これは、単なるツールの使い方だけにとどまらず、クリエイティブツールを活用して自分のアイデアや考え方を見える化し、相手に伝える技術やその重要性を体系的に学べる構成となっている。

 北海道大学では、大学院向けの講座として各部2コマ×4回の全8コマで修了できるようになっている。同学では全教員に加えて、院生も、全員が自分のPCにAdobe Creative Cloudをインストールして講座を受講できるよう、教育機関向け包括契約の学生オプションを導入しているという。

 加藤氏は「教室だけでなく、自分のPCでツールが使えれば、学生は講座以外の時間にもそれを使って多くのことを理解し、さまざまな工夫を行うようになる。教育効果はより高い」とする。また、今回のコロナ禍のように、キャンパスに集まっての講義が難しい状況下において、学生が自宅のPCからクリエイティブツールを利用できる環境を用意しておくことは、授業継続の観点からもメリットがある。

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独自性の高い「コンテンツ」を人に伝える「デザイン力」が必須の教養に

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この記事の著者

高橋 美津(タカバシ ミツ)

PCやネットといったIT分野を中心に、ビジネスやゲーム分野でも執筆を行うフリーランスライター。Windowsユーザー。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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