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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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プログラミング教育の講師インタビュー

プログラマーからプログラミング講師になって気づいた「教える」ということ――山口県宇部市のプログラミング教室 アクシオン 室長 小山義幸さんインタビュー

 山口県宇部市で、ロボット・プログラミング教室を運営する小山義幸さん。プログラマーや専門学校講師として働いた後、起業しました。30年以上業務用ソフトを開発しているエンジニアとしてのスキルが、小中学生のプログラミング授業に役立っているとのことですが、どういった視点を持たれているのでしょうか。また、「講師として」必要になってくる知識や技術は、エンジニアとしての経験とはまた別にあると話します。教室で心がけていることや、授業をする中で気づいたことをお話しいただきました。

プログラミング教室で、学校や学習塾では得られない学びを

さまざまなニーズに合わせて授業が行われる
さまざまなニーズに合わせて授業が行われる

――まず、簡単な自己紹介をお願いします。

小山:山口県宇部市でプログラマーや専門学校の経理系講師などを経験した後に、起業しました。現在、パソコン関係の販売や業務系ソフト開発の会社を経営しています。小中学生を対象としたロボット・プログラミング教室を始めて4年目になります。

――ご自身の教室は、どのような雰囲気ですか。

小山:私を含め3人のエンジニアが講師として、教えています。多様化するニーズに合わせて、さまざまなコースを設置しています。どのコースにおいても、子どもたちの考える力を伸ばすことを大切にした授業をするよう、心がけている教室です。

――なぜプログラミング教室を開こうと思ったのでしょうか。

小山:自社で始められる新規事業はないかと考えていた際に、都会ではロボット教材を使った子ども向けプログラミング教室があることを知りました。これなら自分でも始められるのではないかと思ったんです。プログラミングであれば、今まで学んできた知識や技術が使えるし、ものづくりはもともと好きで自分の子どもといつも工作を楽しんでいたので、できる気がしました。

 また、自分のエンジニアとしての経験を子どもたちに伝えることで、「学校や学習塾では得られない学びが与えられるのでは」と考えて教室を始めてみました。

必要なのは「プログラミング」と「指導」、両方の深い技術

――実際に、エンジニアとしてのどんなスキルがプログラミング講師に生かせていますか。

小山:プログラミングに関しては専門的な知識を持っています。ですから、「講師になるために講習を受けただけ」といった方よりも、長年の経験を生かした授業ができていると思います。特に、問題を解決するための考え方を教えるにあたって、一般の人とは異なる、エンジニア特有の視点が役に立つと感じています。

――逆に、エンジニアがプログラミング講師になるにあたり身につけたいスキルについて教えてください。

小山:他人に何かを教える、伝えることは非常に難しいことだと感じます。専門的な技術や技法だけでなく、幅広い知識やいろいろな視点で物事をとらえる力も必要ではないかと思います。例えば、以前から子育てに関する本はときどき手にして読んでいたのですが、教室を始めてからはさらに積極的に読んでいます。また、コーチングやアクティブラーニングについて学んだり、小中学校の現状や「高大接続改革」についての情報をチェックしたりもします。授業で教える、プログラミング自体の勉強は当然必要ですが、「その先にどのようなことができる可能性があるか」を考えることも必要だと感じています。

――エンジニアからプログラミング講師というキャリアパスについて、どう考えていらっしゃいますか。

小山:「教える」ということを考えると、これからは教員免許の取得なども視野に入れるべきかもしれません。指導する技術の習得が必要になるからです。また今後は、IoTの広がりでインターネットにつながるデバイスがますます増えると思うので、プログラミングに限らず、総合的な情報ネットワークの知識が必要になるのではないでしょうか。

――プログラミング講師になることに興味のある方に向けて、メッセージをお願いします。

小山:プログラミングと聞くと一般の人は、まだまだ特殊な分野だと感じる方が多いと思いますので、「どのようにして始めやすくするか」を考えることが必要です。また、コーチングの知識や技術を身につけておくといいかもしれません。さらに、子どもたちは大人が想像する以上にいろいろな悩みを抱えているので、コミュニケーション力が大事ではないかと思います。

 私の教室では、雑談をしたり、身の回りのことを例にしたり、生徒が話しやすい雰囲気作りを心がけています。そのうえで、講師が一方的に教えるのではなく、質問を投げかけて生徒に考えを聞くようにしています。生徒自身が現状を把握でき、自力で考えて問題を解決できるきっかけになるからです。生徒の性格や今の状態を知るために積極的に保護者と会話をすることや、生徒の考えを否定しないことも、大事なポイントですね。

 自分が教えているはずなのに、反対に子どもたちから学ぶことも多く、毎回成長していく子どもたちを見るのが楽しい仕事です。

小山さんが運営しているプログラミング教室

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この記事の著者

EdTechZine編集部(エドテックジンヘンシュウブ)

翔泳社が運営する教育ICT(EdTech、エドテック)の専門メディアです。EdTechZineでは、「学びたい」「教えたい」という意欲を持つすべての方に向けて、ICTを活用した次世代の学びに関する情報を多角的な視点で毎日提供します。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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