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「みらプロ」、2020年度は年間を通して実施決定、ポケモンと「Springin'」のしくみデザインが協力企業に

 小学校プログラミング教育の実施に向けた準備を推進するため、2019年9月に実施された「未来の学び プログラミング教育推進月間(通称:みらプロ)」。2019年度の取り組み報告及び、2020年度の実施内容に関する記者発表会が行われた。

2019年度の実施報告

 まず、文部科学省 初等中等教育局 プログラミング教育戦略マネージャー 中川哲氏が2019年度の取り組みについて報告した。

文部科学省 初等中等教育局 プログラミング教育戦略マネージャー 中川哲氏
文部科学省 初等中等教育局 プログラミング教育戦略マネージャー 中川哲氏

 「みらプロ」は、企業と連携し、「プログラミングが社会でどう活用されているか」に焦点を当てた総合的な学習の時間における指導案等の提供を行う取り組み。文部科学省、総務省及び経済産業省が、2020年度からの小学校プログラミング教育の実施に向けた機運醸成を目指し設定した。

 本年度は2019年9月を「未来の学び プログラミング教育推進月間(みらプロ2019)」として、全国の小学校に対して、以下のプログラミング教育の授業に取り組んでみるよう呼びかけ、 実施に向けた準備を推進してきた。

  • 未来の学びコンソーシアムHPで公開している実践事例等を活用した授業
  • 企業が作成・配信する動画教材を用いた授業
  • 会社訪問等によるスペシャル授業

 2019年度の協力企業は、NTTドコモ、グーグル、佐川急便、LINE、リコーなど17社。公開したコンテンツは、約800校にダウンロードされた。中川氏いわく「やり取りをした150校ほどの学校のうち、80%くらいの学校で満足いただいたという声」があったという。

 実際に取り組みを行った学校の事例として、東京都足立区立大谷田小学校(佐川急便協力)と茨城県鉾田市立鉾田北小学校(Preferred Networks協力)の実践が紹介された。

 大谷田小学校では、生活を支える宅配便の仕組みを理解し、情報の進展やそれに伴う日常生活の変化について考え、生活を豊かにするためにできることを探究する授業を行った。佐川急便のハブセンターへの訪問や、社員による配送の仕組みの説明などを経て理解を深め、まとめとして「荷物が届くまでの流れを説明したアニメーション」を作るプログラミング体験に取り組んだ。

 また、鉾田北小学校では、「自動化の進展とそれに伴う自分たちの生活の変化を考えよう」というテーマで6年生の2学級で行った。自動化から思い浮かぶイメージを共有し、企業が提供した動画教材で「自動化」に対する理解を深めたのち、Scratchによる画像認識のプログラミングを体験した。

 そのほかの事例については、未来の学びコンソーシアムのWebサイトで近日動画を公開予定。

来年度も「みらプロ」実施

 2019年度は「プログラミング教育推進月間」としての「みらプロ」だったが、2020年度は新学習指導要領が実施され、プログラミング教育が始まっていく。「みらプロ2020」は、年間を通した新しい取り組みとして実施される。

 継続希望の15社の企業は、引き続き協力。新しく、株式会社しくみデザインと株式会社ポケモンの2社が協力する。しくみデザインの代表取締役社長の中村俊介氏が、授業の構想を語った。

しくみデザイン 代表取締役社長 中村俊介氏
しくみデザイン 代表取締役社長 中村俊介氏

 しくみデザインは、デジタルサイネージのリードカンパニー。同社が協力する授業では「街中にはどんな情報があるのか」「どのように情報を伝えたらわかりやすいだろう」といったことを考え、実際にデジタルサイネージをプログラミングで作るところまでを体験する。

 使用するのは「Springin'(スプリンギン)」というしくみデザインが開発したビジュアルプログラミングアプリ。これは「つくり出す」ことにフォーカスした教材で、文字を含まないため小学校1年生でも利用して作品をつくることができる。今回、このアプリを含めたクラウドサービスなどを無償で提供する。また、アプリの特徴として「他の人に使ってもらえる」点が挙げられる。これによって感想やフィードバックを得ながら学習していくことができる。

 講師派遣では、アプリの使い方をサポートするほか、「どんな思いでサイネージを作ってきたか」を共有する予定。

 また、株式会社ポケモンの新井賢一氏も授業の構想について以下のように説明した。

株式会社ポケモン ブランド管理部 ディレクター兼 My First Pokemonプロジェクト サブリーダー 新井賢一氏
株式会社ポケモン ブランド管理部 ディレクター兼 My First Pokemonプロジェクト サブリーダー 新井賢一氏

 ポケモンはゲーム「ポケットモンスター」のプロデュースを行う企業。同社はキャリア教育に焦点を当て「身近な人の仕事やゲームを作る仕事を学んで、私たちの未来やキャリアを考えよう」といったテーマでみらプロに協力する。

 子どもたちに人気のポケモンには多くの職種の人がかかわっている。そこで、ゲームが子どもたちの手に届くまでや、作り手の思いを映像にまとめて教材として提供する。また、ゲーム制作の中でも重要なプログラミングの体験をする。規約同意の上、総合の学習での活用に限るが、ポケモンのイラスト素材の提供も予定している。

Scratch上で、自分のプログラムによってポケモンを動かすことができる
Scratch上で、自分のプログラムによってポケモンを動かすことができる

 新井氏は「ポケモンが多くの子どもたちに学びのきっかけとなれば」と話した。

 最後に中川氏は、「『みらプロ2020』は、総合的な学習の時間の中で、探究の過程でプログラミングを取り扱っていただけるようにデザインされています。今後も学校の先生に有用な、子どもたちに探究的に取り組んでもらえる、指導案・事例を提供していきたい」と語った。

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https://edtechzine.jp/article/detail/3319 2020/02/19 17:22

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