フィンランドのプログラマーで教育にも力を注ぐリンダ・リウカスさんによる知育絵本、「ルビィのぼうけん」シリーズに最新刊が登場しました。12月21日に発売となった『ルビィのぼうけん インターネットたんけん隊』は、ルビィたちが自分たちで「雪のインターネット」を作りながら、その仕組みを学んでいく冒険に仕立てられています。
1作目はプログラマー的な考え方、2作目はコンピューターの仕組み、そして最新作となる本書『ルビィのぼうけん インターネットたんけん隊』は、主人公のルビィたちが、子どもたちの生活の一部となりつつあるインターネットとはなにかを体験する物語です。
一口にインターネットと言っても、扱うテーマは多岐にわたります。「インターネットでなにができるの?」「ネットワークってなに?」「インターネットを支える設備やインターネットのプロトコル(ルール)って知ってる?」など、問われると意外とわからない・知らないことがたくさんあります。
本書の前半となる物語パートでは、ルビィと仲間たちが雪のインターネットを作ることで、インターネットを形作る要素に触れていきます。その様子を絵本で体験することで、なんとなく全体像が掴めるようになるのではないでしょうか。後半は練習問題パート、インターネットとは何なのかをリンダさんが描く素敵なイラストで学ぶことができます。
様々なものがインターネットにつながっていくと見込まれている未来。お子さんや身近な子どもたちと一緒に、その新しい世界を支える仕組みを垣間見てみませんか?
保護者の方へ リンダ・リウカスより(本書より抜粋)
今の世代の子どもたちは、コンピューターとともに育っています。インターネットは生活の一部です。子どもたちは、世界の反対側にいる友だちと、オンラインでおしゃべりをしたり、インターネット上でゲームを遊んだりすることができます。子ども時代は、インターネットの上で起こるものになってきているのです。
子どもたちにとって、インターネットは当たり前にそこにあるものです。でも、インターネットが何なのか、そしてそれが実際にはどのようにして動いているのかを知る人はほとんどいません。それは雲(クラウド)でしょうか、それともケーブルの束でしょうか? 情報はどのようにインターネットを旅するのでしょうか? そして、なぜインターネットを通して人びととつながる必要があるのでしょう?
この本でルビィ、ジュリア、ジャンゴは雪のインターネットをつくります。雪のインターネットで、子どもたちは少しこわい目にもあいます。しかしそれ以上に、彼らは探検と、冒険のわくわくする気持ちを楽しんでいるのです。
この本は、保護者の方と一緒に取り組むようにつくってあります。物語のパートから読んでくださって大丈夫です。そのあとに、6章分の練習問題パートがあります。各章には、創造性をコンセプトに組み立てられた練習問題がそろっています。練習問題を一度遊んで、それからなんども遊ぶことに時間を使ってください。間違えたり、同じ問題に違う解釈をしたりするのは当然のこと、それでいいんです。
ここでいくつか役に立つヒントを。「おどうぐ箱」の囲みには、保護者の方に向けた情報と、その章で扱っているテーマに関連したキーワードを載せています。すべてのキーワードの解説は巻末の用語集にまとめています。また、ルビィのぼうけんのウェブサイトから追加の練習問題を探すこともできます。shoeisha.co.jp/book/rubynobouken/answersには、練習問題の答えのヒントがあります。
わたしがインターネットの世界をめぐる旅を始めたのは、もう20年以上も前です。わたしの記憶にあるインターネットは、もっと礼儀正しく、もっと匿名性の高いものでした。わたしはジェダイの騎士、サンライダーとしてインターネットを冒険し、自分が応援するアイドルたちのファンサイトをせっせとつくっていました。
インターネットは、わたしが初めて体験したときから、変わり続けてきました。今の時代の子どもたちは、アプリと広告がぎっしり詰まって商用化されたインターネットの世界の歩き方を身につけなければいけません。そして、これからもインターネットは変わり続けていくでしょう。きっとコピー機や、鉄道や、タイムカプセルやスペースシャトルのようなものに。
世界は変わり続けている・・・
世界はもはや点在する島々、広々とした土地、
海、山々でできているものではなない。
むしろ、網の目のようなものでできているのだ。
ローリス・マラグッツィ
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渡部 拓也(ワタナベ タクヤ)
翔泳社マーケティング課。MarkeZine、CodeZine、EnterpriseZine、Biz/Zine、ほかにて翔泳社の本の紹介記事や著者インタビュー、たまにそれ以外も執筆しています。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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