日本マイクロソフト株式会社は10月4日、「マイクロソフト 公共機関向けクラウド利用促進プログラム」を開始した。政府・自治体、教育、医療などの公共機関におけるクラウドサービスの導入、利用促進を支援する。
パブリックセクター事業本部長の佐藤知成氏は本施策の背景について、『日本政府が「Society 5.0」と称する、IoTやAIによるビッグデータ解析、ロボットの活用などにより新しい価値が創出されるデジタルトランスフォーメーションの動きのなかで、今年の6月に「政府情報システムはクラウドシステムの利用を第一候補として検討する」と明言された「クラウド・バイ・デフォルト原則」は、それを具現化する大きな動きと理解。日本マイクロソフトとしても日本の社会をよりよくするため、政策と連携を取り、後押ししていきたい』と述べた。
施策の検討には米国本社を巻き込んで、アメリカ、イギリス、ドイツ、シンガポールといったグローバルでの先行事例からニーズやセキュリティ要件などを調べ挙げて、知見を集約したという。「日本における公共機関へのクラウド導入の本格化はこれからだが、その期待に応える準備は既にできている」という、佐藤氏。
今年6月には教育機関向け、9月にはヘルスケア領域向けの方針と施策が先行して発表されていたが、今回、政府・行政機関向けの施策が新たに追加された(下図の緑色の部分)。3つの領域が揃ったことで、業種カットだけではなく、例えば地域住民による業種の領域をまたいだシームレスなサービス提供のニーズにも対応する。
同支援プログラムは、「1. 公共機関およびパートナー企業向け人材育成プログラム」「2. 公共機関向け災害対策支援」「3. クラウド早期導入支援」「4. 社内における公共機関向けクラウドエキスパートの育成(200名)」「5. パートナーソリューションの開発」の5つで構成される。
人材育成プログラムでは、クラウドを安全に正しく利用するため、公共機関(政府機関・医療・教育)を対象に、「公共機関向けパブリッククラウド活用トレーニング」「PaaS/IaaSハンズオン」「AI/IoT活用トレーニング」が無償で提供される。2020年までに4万名規模の参加を想定している。
クラウド早期導入支援においては、クラウド導入の目的や利用イメージを明確にし、課題解決のビジョン作成を支援するデザインシンキングの実施や、実証実験の支援などが無償で提供される。
また、パートナーソリューションの開発として、パートナー企業と共同で公共機関向けに働き方改革や住民支援サービスといった200のソリューションを今後1年間で開発・提供する計画となっている。
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