インヴェンティットは、同社の提供する教育機関向けモバイルデバイス管理サービス(MDM)「mobiconnect」について、新潟市教育委員会での活用事例を11月27日に発表した。新潟市教育委員会では、同サービスをMDMソリューションとして活用している。

新潟市教育委員会は、「これからの社会をたくましく生き抜く力の育成」を教育方針として掲げており、ICTを子どもたちの学びを広げる文房具のひとつとして位置付けている。とりわけ、状況に応じて自覚的にICTを使いこなす「情報活用能力」の育成を重視して、ICTの活用に過度な制限を設けない自由度の高い学習環境づくりを目指してきた。
一方で、多様な学習ニーズに対応するアプリの申請・評価・許可の仕組みを維持しつつ、現場の教員が迷うことなくアプリを活用できるような管理体制の整備が大きな課題だった。
さらに、GIGAスクール端末として使用している約6000台のiPadを、毎年度更新する作業も負担となっていた。更新作業では、初期化後にSSIDやパスワードを1台ずつ入力する必要がある。セキュリティ上事前公開もできないため、教職員が数日にわたって作業する状況が続いていたという。
ICTに不安を抱える教員も一定数いるため、授業の質を保ちつつICT活用を推進するには、より確実で効率的な運用基盤が求められていた。
そこで今回の導入では、「mobiconnect」のmobiAppsを利用して、授業で必要とされるアプリの管理を一元化している。現在は約300個のアプリが登録され、教職員が児童生徒の特性や授業内容に応じたアプリを迅速に選べる環境が整備された。特別支援教育におけるアプリ活用も増えていることから、さまざまな特性に合わせた個別最適な学びが実現している。
また「mobiconnect」は、Appleの「Return to Service(RTS)」と連携している。初期化後にネットワーク情報を含んだ状態で端末が立ち上がり、従来は1台ずつ手入力していた無線LAN接続作業が不要になった。そのため、毎年の端末更新作業における負担が大幅に軽減されている。
そのほか、院内学級でもオンライン参加やアプリによる課題提出が行われるなど、ICTが子どもたちに「つながっている安心感」を届ける場面が増えている。将来的には、遠隔教育の活用によって複数教室を同時に支援したり、地域を越えて専門性の高い授業を提供したりといった、新たな学びの形も期待される。
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