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東京医科大学が「アカデミック・ハラスメント傾向尺度」を開発、理系研究者を対象に調査を行いアカハラ加害者の心理傾向を可視化

 東京医科大学 医学・看護学教育推進センターの山崎由花准教授の研究グループは、理系学部の大学教員および大学院生を対象に調査を行い、「アカデミック・ハラスメント傾向尺度: 理系アカデミア版(Academic Harassment Tendency Scale for Science Academia: AHTS-SA)」を開発したことを、9月26日に発表した。同研究成果は、7月19日に「Journal of Academic Ethics」に掲載された。

 アカデミックハラスメント(以下、アカハラ)は、被害者の心身の健康やキャリアに深刻な影響を及ぼすだけでなく、周囲にもストレスを与え、研究現場全体の生産性を低下させる深刻な問題である。研究者は常に成果を上げ、研究費を獲得しなければならない強いプレッシャーにさらされる。特に理系学部では、長時間労働や過度な業務遂行が評価される文化が根強く、これがさらにストレスの増大につながる。また、上下関係の厳しいチームで研究することも多く、立場の弱い大学院生やポスドクは、過剰な下働きや論文の著者名の扱いで被害を受けやすいとされる。

 先行研究では、アカハラの発生に加害者の心理的傾向が関わることが指摘されている。さらに、専門分野や学部によって所属する人々の性格傾向が異なることが報告されており、理系学部の加害者に特有の心理傾向が存在する可能性が考えられた。一方で、加害者の心理的特徴を体系的に測定する枠組みは存在しなかった。これらの点に着目し、同研究グループは理系研究者を対象に尺度開発を目的に調査を行い、「アカデミック・ハラスメント傾向尺度」を開発した。

 同研究では、書籍や論文をもとに、アカハラやパワーハラスメント加害者の心理傾向に関する質問項目を作成した。その後、まず、理系学部の研究者55名を対象に予備調査を行い、141項目からなる尺度原案を作成した。次に、理系学部の大学院生や教員500名を対象に同調査を実施した。データを因子分析した結果、加害者の心理傾向は「自己中心的特権意識」「エイジズム」「情緒制御困難性」の3つの因子に大別されることがわかった。これらの因子を最終的な「アカデミック・ハラスメント傾向尺度」とした。合わせて、この尺度が信頼性、妥当性を有していることも実証した。

 今後は、この心理傾向が理系学部に特有のものであるかを確認するため、他分野でも調査を継続して行う。また、どのような場面や職場環境でこの心理傾向が活性化され、アカハラ行為として現れるのかを検討し、予防に役立つ職場づくりや教育プログラムの開発につなげていく。さらに、この研究成果を応用し、医療現場で非倫理的行動をとりやすい医師や、研究不正に関わる可能性のある研究者の特徴を明らかにする尺度の開発にも取り組む予定。

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https://edtechzine.jp/article/detail/13092 2025/10/07 11:50

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