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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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新製品・機能発表

なぜ今、博士人材の重要性が高まっているのか? 研究者だけではない、多様なキャリアの可能性

「ビズリーチ・キャンパス for 博士」記者発表会レポート

 ビズリーチは、同社が運営するOB/OG訪問ネットワークサービス「ビズリーチ・キャンパス」において、博士課程に特化した「ビズリーチ・キャンパス for 博士」の提供を、5月27日より開始した。同サービスは、社会で活躍する博士号を取得した社会人(以下、博士人材)の多様なキャリアに触れる機会を提供することで、博士課程の学生や博士課程への進学を検討中の学生のキャリア選択を支援するもので、学生は無料で利用できる。本稿では、同日に開催された記者発表会の模様をお伝えし、経済産業省の担当者による博士人材の世界的な動向の解説、富士通および北海道大学における博士人材・博士課程の学生に対する支援事例についても紹介する。

「博士人材のキャリアパスがわからない」に応える新サービス

 「ビズリーチ・キャンパス」は、学年を問わず通年で利用できるOB/OG訪問ネットワークサービス。2025年4月末時点で33万4000人以上の学生と、11万2000人以上のOB/OGが登録している。

 今回リリースされた「ビズリーチ・キャンパス for 博士」は、博士人材に特化した新サービスで、博士学生や博士検討中の学生が、オンライン上で博士人材にOB/OG訪問を実施できる。あわせて、博士人材のプロフィール・経歴の閲覧や、博士専用の採用情報・就職イベント情報の取得が可能となる。博士学生だけでなく、博士課程への進学を検討する学士課程や修士課程の学生も、時期や学年を問わず利用できる。

 OB/OG訪問については、依頼から実施までをすべてオンライン上で完結できるため、学生は研究と両立しながら効率的にキャリアに関する情報を収集できる。

 また、キャリアに関するポータルサイトとしても活用可能で、博士学生の新卒採用を実施している企業や採用情報の一覧、博士人材社員からのメッセージムービーや人事担当者が博士人材社員を紹介するムービー、博士学生向けのイベント情報などが掲載されている。

 なお、学生が安心・安全に利用できるように、OB/OG訪問は学生からの依頼による実施のみに制限。加えて、サービス内におけるメッセージのやりとりは24時間有人監視されているほか、OB/OGの登録審査では博士人材であることのエビデンス提出が義務づけられている。

 ビズリーチ・キャンパス for 博士の開発の背景として、ビズリーチ 執行役員 新卒事業部 事業部長の藤田拓秀氏は「修士課程・博士課程への進学者が少ないこと」「民間企業・公的機関などへの就職者が少ないこと」といった、2つの課題の存在を挙げる。これらの課題は博士人材のキャリアに関する情報不足につながっており、結果として進学に意欲的な学生がいたとしても、博士課程へ進んだ後のキャリアパスが見えないため進学を躊躇してしまう……という悪循環が生まれているのが現状だ。

株式会社ビズリーチ 執行役員 新卒事業部 事業部長 藤田拓秀氏
株式会社ビズリーチ 執行役員 新卒事業部 事業部長 藤田拓秀氏

 ビズリーチ・キャンパス for 博士は、こうした悩みを抱える学生に向けて「リアリティのある情報」を提供し、博士人材の多様なキャリアを可視化、ロールモデルを見つける支援を行うという。

日本の博士号取得者数は、世界的にも低い水準

 記者発表会に登壇した、経済産業省 イノベーション・環境局 大学連携推進室長の川上悟史氏は、世界的な動向を踏まえつつ、「博士人材が企業で活躍する必要性」について解説。さらに、経済産業省・文部科学省による『博士人材の民間企業における活躍促進にむけたガイドブック』を紹介した。

経済産業省 イノベーション・環境局 大学連携推進室長 川上悟史氏
経済産業省 イノベーション・環境局 大学連携推進室長 川上悟史氏

 川上氏はまず、イノベーションにおいて科学の重要性が高まっていることに言及。現在を「科学とビジネスの近接化の時代」として、ビジネスの現場で博士人材の重要性が高まっていることに触れた。

イノベーションによる科学の重要性の高まり
イノベーションによる科学の重要性の高まり

 しかし、日本の博士号取得者数は横ばいであり、主要先進国の4割程度というのが現状だ。一方、2000年には日本と同水準だったアメリカと韓国は、2022年時点で約3倍に増加している。これは企業における研究者数の伸びにも反映されており、日本は各国と比較すると非常に低い水準だと言わざるを得ない。川上氏も「この数字は産業競争力の強さに直結しているのでは」と危機感をあらわにする。

博士号取得者数と企業における研究者数の伸び(海外・日本の状況)
博士号取得者数と企業における研究者数の伸び(海外・日本の状況)

 そのうえで、日本企業の博士人材に対するニーズは決して低いわけではなく、博士人材の採用意欲がある企業は全体の半数を超えるが、採用したくてもできない企業も多いという。

企業も博士人材の採用意欲はあるが、実際にはできていない状況
企業も博士人材の採用意欲はあるが、実際にはできていない状況

 こうした状況を受けて、経済産業省や文部科学省は、大学や企業と連携しながら、博士課程への進学者増加のための支援、企業での博士人材の活用促進や待遇改善など、さまざまな政策を推進している。そのひとつが両省が共同で立ち上げた「博士人材の民間企業における活躍促進に向けた検討会」であり、『博士人材の民間企業における活躍促進にむけたガイドブック』を作成した。また、学生に向けては『企業で活躍する博士人材ロールモデル事例集』を作成し、学生が安心して博士課程へ進めるようにサポートしている。

博士人材の民間企業における活躍促進にむけたガイドブック
博士人材の民間企業における活躍促進にむけたガイドブック

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博士人材・博士課程学生が活躍できる基盤を構築する富士通

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森山 咲(編集部)(モリヤマ サキ)

EdTechZine編集長。好きな言葉は「愚公移山」。

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