米Microsoftが主催する世界最大の学生向けテクノロジーコンテスト「Imagine Cup 2018」が、7月23日(現地時間)から3日間、米シアトルで開催され、世界各地から選抜された33か国49チームが世界の頂点を目指して競い合った。
日本から出場した3チームのうち、東京大学のEmergensorチームと鳥羽商船高等学校のezaki-labチームは準決勝に進めなかったものの、前年も世界大会に出場したメンバーを含む東京大学のMediated Earチームは準決勝に進出するとともに、3チームのみが進める決勝に進出している。
決勝戦では、その様子が全世界へライブストリーミング配信される中、その高い技術力、プレゼンテーション能力を披露し、最終的に世界大会第3位となった。
優勝したのはカナダのsmartARMチームで、カメラとMicrosoft Azure Computer VisionやMachine Learning、Cloud Storageといった技術を活用し、目の前の物体を認識して最適な握り方を計算する義手を開発している。smartARMチームには、今後プロジェクトを進めるための賞金8万5000ドル、Microsoft Azureの助成金5万ドルが贈られるとともに、米MicrosoftのCEOであるSatya Nadellaとの、1対1でのメンタリングセッションが提供される。
準優勝はギリシャのiCry2Talkチームで、子どもの泣き声をリアルタイムで分析し、空腹なのか、怖がっているのかなどの感情を、両親が簡単に理解できるよう翻訳するシステムを開発した。
ほかにも、「Imagine Cup 2018」ではAI、ビッグデータ、Mixed Realityの3カテゴリそれぞれに「Imagine Cup Award」というカテゴリ賞を用意しており、AI分野ではネパールのSochWareチームによる農家支援システム、ビッグデータ分野ではインドのDrugsafeチームによる薬分析システム、Mixed Reality分野ではPengramチームの仮想テレポートシステムが、それぞれ獲得している。なお、カテゴリ賞には賞金1万5000ドルがそれぞれのチームに贈られた。
なお、東京大学のEmergensorチームはスマートフォンから取得したデータを基に非常事態の発生を自動検出することで危険情報の迅速な集団的共有を実現するサービス、鳥羽商船高等学校のezaki-labチームはマダイやシマアジなどの海面養殖の自動給餌でコスト削減・収益拡大を実現する人工知能システム、東京大学のMediated EarチームはDeep Neural Networkを利用し様々な音が混ざった入力音源から特定の人の音声のみを抽出するソフトウェアで出場している。
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