みんがくは、同社の提供する教育現場向けの生成AIプラットフォーム「スクールAI」において、生徒自身が生成AIを使ってオリジナルの学習アプリを作成できる「モード作成機能」(ベータ版)を、5月2日にリリースした。
「モード作成機能」(ベータ版)は、教育現場の教員から寄せられた声をきっかけに開発された。教員が用意したツールを使うだけでなく、生徒が「AIとともに考え、つくり出す力」を育むことを主な目的とし、生徒が自ら課題に向き合い、アプリや学習モードといった「かたちあるアウトプット」を生み出す経験は、探究学習やキャリア教育、そして情報活用能力の向上にも直結するという。

「モード作成機能」機能の利用によって、「スクールAI」を利用する生徒は自身のアイデアをベースに、英会話練習、作文添削、クイズ出題といった自分専用の学習アプリを自由に作成可能となる。
具体的には、生徒がプロンプト(指示文)を入力するだけで自分専用の学習モードを作成でき、プロンプトには「どんな学習がしたいか」「どんな役割でAIに応答してほしいか」などを自由に記入できる。
一例として、「私は生徒、あなたは英語面接官として質問してください」「漢字の読み方をクイズ形式で出題し、間違えたらヒントをください」といった言葉で学びの意図をAIに伝えるだけで、英会話・作文添削・クイズ出題といった学習モードが自動的に構築されて、すぐに利用できる。
作成したモードには、各生徒に割り当てられた専用のログインページからいつでもアクセスできる。さらに内容の調整・編集も容易となっており、「言語で学びを設計する」という生成AIならではの体験を通じて、生徒の創造性と探究心を引き出せる。
おもな活用イメージは以下の通り。
- オリジナルキャラクターと英会話練習:自分で設定したキャラクター(未来の自分、ちょっと天然なAIロボットなど)と日常会話を行う英会話ロールプレイ。実践的な言語練習に創造性を加えられる
- 作文添削モード(話し方・性格をカスタマイズ可能):「優しくアドバイスしてくれる先生」「厳しく指導する編集者」といった、指導スタイルを自由に設定して自身に合ったフィードバックを受けられる
- 探究型クイズモード(理科・社会):「ミッション形式で出題される理科の謎解きクイズ」や「世界旅行をしながら学べる社会クイズ」といった、ストーリー仕立ての出題で学習のモチベーションを高められる
- 面接練習AIモード:志望理由や自己PRの練習に最適なAI面接官を自分で設定でき、丁寧なフィードバックや想定質問への対応を通じて、本番に向けた実践力を養える。音声でのやりとりも可能
「自分だけの学習AI」の作成を通じて、生徒自身が「学ぶ内容」だけでなく「学び方」そのものをデザインする体験ができる。
「モード作成機能」のリリースに先立って開催された、東洋大学付属姫路高等学校におけるワークショップでは、参加した生徒たちが自ら考案したプロンプトを入力して、オリジナルの学習方法の設計に挑んだ。生徒からは、「1つ質問したら100のアドバイスが返ってきた。AIってすごいと思った」「便利で使いやすかった」といった意見が寄せられた。


なお同機能は、生徒の発達段階や利用シーンに応じて教員が使用の可否を設定可能で、初期設定では「使用しない」状態となっている。
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