アルクは、同一の生徒を高校1年生~3年生の3年間にわたって追跡した調査レポート「日本の高校生の英語スピーキング能力実態調査Ⅲ―高校3年間で高校生の英語力はどのように変化したか―」を、7月31日に発表した。
同調査は、アルク教育総合研究所が調査協力校3校に通う高校3年生275名、同3校に勤務する日本人英語教師21名を対象に、平成27年~29年の3年間にわたって実施している。
高校1年次から3年次にかけての英語スピーキング力(TSSTレベル)の推移を見ると、調査協力校のうちのB高校で1年次から3年次にかけてのスピーキング力の向上が顕著で、とりわけ1年次から2年次にかけてレベルアップした生徒が多かった。
調査協力校で、スピーキング力が1レベルアップした生徒と、レベルに変化のなかった生徒を比較すると、どの学校でも1レベルアップした生徒は、変化のなかった生徒と比較して週あたりの英語学習時間の平均が長い。1レベルアップした生徒の学習時間の平均は、もっとも短い高校で約7時間、もっとも長い高校で約14時間であり、高校1年次から1レベルアップするには、高校3年次で少なくとも週に7時間の学習が必要であり、週に14時間以上学習すると、その可能性がさらに高まると考えられる。
高校1年次から3年次にかけて、1レベルアップした生徒がもっとも多かったB高校では、「会話」や「書く」など英文を作って発信する学習や、発信の基礎となる「単語」「文法」の学習時間が週30分以上の生徒の割合が、他校と比較して20ポイント以上高かった。
さらに、1レベルアップした生徒に限っては、「音読」「発音練習」といった既存の英文を声に出す活動を週に30分以上行っている生徒の割合が、変化のなかった生徒に比べて20ポイント以上高い。
なお、英語(学習)に対して前向きであることや、大学入試に英語が必要になること、英語圏での滞在・留学経験は、スピーキング力向上によい影響こそあるものの、必須条件ではないと考えられる。
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